Interview

大阪桐蔭の経験生かし、俵藤「一流の選手目指して」ラストシーズンへ【後編】

2021.11.29

 2018年に甲子園で春夏連覇を果たした大阪桐蔭。この代からは根尾 昂内野手(中日)、藤原 恭大外野手(ロッテ)、横川凱投手(巨人)、柿木 蓮投手(日本ハム)の4人がプロ入りを果たし、大学でも中川 卓也内野手(早稲田大)、大阪桐蔭山田 健太内野手(立教大)、青地 斗舞外野手(同志社大)の3人が新チームの主将に選ばれた。

 大阪桐蔭の卒業生はレギュラーだけでなく、高校では控えだった選手が大学で活躍する例も目立つ。2018年の春夏連覇時に控え内野手としてベンチ入りしていた俵藤 夏冴内野手(天理大3年)もその一人。卒業後は天理大に進み、今秋のリーグ戦では規定打席不足ながら.412の高打率をマークしている。来年は主力選手として活躍が期待される俵藤に天理大入学からを振り返ってもらった。

大阪桐蔭の経験生かし、俵藤「一流の選手目指して」ラストシーズンへ【後編】 | 高校野球ドットコム前編はこちらから!
大阪桐蔭黄金期の控えだった俵藤、それでも後悔なし【前編】

試行錯誤の末に優勝に貢献

大阪桐蔭の経験生かし、俵藤「一流の選手目指して」ラストシーズンへ【後編】 | 高校野球ドットコム
天理大・俵藤 夏冴

 夏の甲子園を終えた後、俵藤に誘いをかけたのが内野手を探していた天理大だ。阪神大学リーグを代表する強豪校で、近年では石原 貴規捕手、森浦 大輔投手(ともに広島)といった選手を輩出している。

 俵藤は大学に入学するにあたって、「木製バットになるとパワーもいるので」と体重を10キロ近く増やした。現在は身長183センチ、体重88キロと高校時代よりも明らかに体つきが変わっている。

 天理大では1年春からベンチ入りを果たし、パワーアップした姿を見せる予定だったが、「1年、2年の時は自分の技術力のなさを感じさせられる年になった」と3年春まではリーグ戦で安打を放つことができなかった。そうした中で、コーチと試行錯誤を重ねながら打撃の改良に努めた。主に変えたのはトップの深さだという。

「自分はトップを深くとってしまう癖があったので、ちょっと浅くして、長くボールを見るというのを意識するようになりました」

 練習の成果が出たのが、今秋のリーグ戦。規定打席には届かなかったが、17打数7安打で打率.412の活躍を見せ、チームのリーグ優勝に大きく貢献した。

[page_break:「チャンスで一本出る」打者目指して]

「チャンスで一本出る」打者目指して

大阪桐蔭の経験生かし、俵藤「一流の選手目指して」ラストシーズンへ【後編】 | 高校野球ドットコム
天理大・俵藤 夏冴

 だが、これだけの結果を残してもレギュラーに定着できないほど、天理大の内野陣はレベルが高く、DHのない関西地区大学野球選手権大会ではスタメンから外された。特に俊足巧打の正遊撃手・友杉 篤輝(3年=立正大淞南)は来年のドラフト候補に挙がるほどの逸材で、「一つ一つの動きが速くて、凄く身体能力が高い」と俵藤も認めるほどの選手だ。

 ところが、大会中に友杉が守備中の接触プレーで負傷退場。代わりに遊撃手として出場したのが俵藤だった。チームを明治神宮大会に導くべく懸命にプレーしたが、あと1勝のところで敗退。「友杉の分までカバーできていなかったというのが自分の不甲斐なさを感じさせられる大会でした」と悔しさを噛みしめた。

 大学野球生活も残り1年。「チャンスで一本出るバッターやここという時にしっかり守れる選手を目指してやっています」と来年の全国大会出場と個人タイトル獲得を目標に練習に励んでいる。

 大学卒業後も野球を続ける意向を示しており、「野球を本気でやっている以上は一流の選手を目指してやりたい」と高いレベルでのプレーを目指している。春夏連覇メンバーの誇りを胸に大学ラストシーズンに挑む。

(記事:馬場 遼

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.07.07

シード校の相手が決定、東海大相模、慶應義塾の相手は?8日の神奈川【2024夏の甲子園】

2024.07.07

上田西が0封に抑えられて初戦敗退 23年はオリドラ1を擁して甲子園出場

2024.07.07

ノーシード広島商が「逆襲」へ好スタート、尾道商、尾道東も0封ゲーム【2024夏の甲子園】

2024.07.07

茨城では日立商がサヨナラで初戦突破、連合チームが逆転勝ち【2024夏の甲子園】

2024.07.06

23年三重王者・いなべ総合が初戦で敗れる!9回に逆転満塁弾を許す

2024.07.05

白山高元監督の“下剋上球児”再現はあるのか!? センバツ1勝の宇治山田商、2年生集団で東海大会準優勝の菰野など各ブロックの見所を紹介【2024夏・三重大会展望】

2024.07.05

春連覇した加藤学園は悲観達成を狙う! 静岡、日大三島、藤枝明誠、プロ注右腕・小船を擁する知徳らが行く手を阻む!?【2024夏・静岡大会展望】

2024.07.05

静岡大会ではノーシード勢が初戦、常葉大菊川、聖隷クリストファーが開幕6日に登場【2024夏の甲子園】

2024.07.05

大阪大会は京セラドーム大阪で6日に開幕、大阪桐蔭は14日、履正社は14日に初戦【2024夏の甲子園】

2024.07.05

三重大会が6日開幕、昨夏代表のいなべ総合が初日に登場【2024夏の甲子園】

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.23

大阪桐蔭が名門・日体大に1勝1分け! スター選手たちが快投・豪快弾・猛打賞! スーパー1年生もスタメン出場 【交流試合】

2024.06.28

最下位、優勝、チーム崩壊……波乱万丈のプロ野球人生を送った阪神V戦士「野球指導者となって伝えたいこと」

2024.06.23

プロ注目の大阪桐蔭・徳丸が大学生相手に決勝アーチ!直近3週間5本塁打と量産態勢!2年ぶり夏甲子園へ強打者の勢い止まらず!