試合レポート

聖パウロ学園vs都立片倉

2022.04.02

聖パウロ学園・下田 丁寧な投球で投手戦を制し、秋に続き東海大菅生に再挑戦

聖パウロ学園vs都立片倉 | 高校野球ドットコム
聖パウロ学園 下田悠斗

 秋の1次予選の初戦で、聖パウロ学園東海大菅生に敗れた。この冬の練習は、「東海大菅生にリベンジしたい、という思いでやりました」と、勝俣秀仁監督は語る。3月5日行われた組み合わせ抽選会の結果、聖パウロ学園は、1次予選を勝ち抜き、春季都大会の1回戦に勝てば、東海大菅生に当たることが決まった。「気持ちが上がりました」と勝俣監督は言う。

 対する都立片倉は、ジョンソン・マークス太一ら好投手を擁する。この試合も、ジョンソンが先発した。ジョンソンは、しっかり腕を振って、キレのある球を投げ込み、1、2回は三者凡退で抑える快調な立ち上がり。一方、聖パウロ学園の先発・下田悠斗もスライダーを軸に、コーナーを丁寧に突く投球で、片倉に得点の機会を与えない。試合は0対0の均衡が続く、投手戦になった。

 得点は意外とあっけなく入った。腕の振りの良さが特徴の片倉のジョンソンであるが、5回表は、やや振りの良さを欠いていた。「相手のベンチの声をしか、聞こえなくなっていました」と、ジョンソンは語る。聖パウロ学園の9番・高橋秀斗、1番・筒井遼太に連続して四球で歩かせ、2番・関田充輝の犠打で1死二、三塁。3番・奥野翔大の二ゴロで高橋が還り、聖パウロ学園が1点を先制する。この1点が重かった。

 7回裏片倉は、3番・佐藤奏斗の右前安打、4番・松永睦生の二失による出塁で、無死一、三塁とし、5番・湯地詠斗の中飛で、三塁走者の佐藤はタッチアップしたが、聖パウロ学園の中堅手で主将の栗崎新大の好送球で刺して併殺になり、片倉にはホームが遠い。8回裏には、聖パウロ学園の下田は2四球を出したものの、コーナーを突いたところ、わずかに外れただけであり、しっかり立て直して後続を断つ。

 9回裏も安打2本と四球で2死満塁となったが、「ギアを上げました」という下田は、片倉の8番・生江健太郎を三振に仕留め、逃げ切った。

 試合後、片倉の宮本秀樹監督は、「この冬は打てるように練習をしましたが、大会になると固まってしまいました」と語る。打線には課題が残ったが、片倉はジョンソンのほかにも、左腕の高岡大という好投手がいる。高岡は6回から登板して4イニングを被安打1の無失点に抑える好投をした。ノーシードにはなるが、夏に向けての成長が楽しみなチームであることは間違いない。

 一方勝った聖パウロ学園は念願かなって東海大菅生との再戦になった。秋も投げていたエースの下田は、「チーム一丸になって、菅生さんを倒しにいきたいです」と語った。

(取材=大島 裕史

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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