【新刊紹介】大阪桐蔭、敦賀気比、高松商らが題材に 野球ファン必見の書籍販売が決定
7月に入り、夏の甲子園出場に向けて、全国各地で連日熱戦が繰り広げられている。8月の甲子園に出場する49校の顔ぶれがどうなるのか。その行方は気になるところだが、野球ファンにとって興味深い書籍が7月8日から一気に3冊発売される。
高校野球界をけん引する全国区の名門校ばかりが題材となっており、どの1冊も読みごたえ十分な作品となっている。
超名門から勝利すべくライバルたちの考える秘策とは?
【新刊紹介】
「絶対王者」に挑む大阪の監督たち(株式会社竹書房)
沢井史
★購入はこちら:Amazon.co.jp
3度目となる春夏連覇への期待がかかる名門・大阪桐蔭。高い志を持った選手たちが大阪桐蔭の門をたたき、日々切磋琢磨することで安定した強さを誇っている。2022年の夏も注目校の1つになることは間違いないが、そんな大阪桐蔭から勝利するべく、闘志を燃やす9名の指揮官の話を1冊にまとめた。
「絶対王者」となりつつある名門を倒す秘策を語るという作品となっており、東洋大姫路の岡田龍生監督(前・履正社監督)や、2022年のセンバツに出場した金光大阪・横井一裕監督をはじめ、近畿大(元・上宮/東大阪大柏原監督)・田中秀昌監督らを取材。ライバルに勝つための思いが詰まっている。
■本文一部抜粋
〝近畿勢で全国で勝てるのは大阪桐蔭ぐらい〟と揶揄されることもあった。
そんな流れを、近畿圏の学校は黙って見ていたはずはない。やがて全国をリードするようになった大阪桐蔭と肩を並べる戦い方、いや勝つにはどうすればいいのか。探究心の強い指導者は試行錯誤を繰り返しながら〝勝てるチーム〟作りに奔走した。
登場しているのは、近年の大阪で、大阪桐蔭と名勝負、もしくは大阪桐蔭から勝利を挙げた指導者、大阪桐蔭と縁深い指導者だが、9名の指導者のこれまでの野球人生を辿りながら、指導論や野球観、そして「絶対王者」と相対する際の傾向と対策、過去の対戦時のエピソードなどもつづられている。
〝大阪桐蔭を倒さないと甲子園に行けない〟。十数年前からずっと心の中に置いている言葉を胸に、心を奮い立たせてきた監督の思いを文字にしたい――本文より
書籍タイトル:『「絶対王者」に挑む大阪の監督たち』
著者名:沢井史
定価:1,760円 (税込)
発行元:株式会社竹書房
NPB選手も輩出 福井の超名門はいかにして全国区にのし上がったか
★購入はこちら:Amazon.co.jp
北信越地区を代表する全国区の名門校である敦賀気比(福井)。チームを指揮する東哲平監督は、就任11年目で11度の甲子園出場。就任5年目の2015年には北陸勢初の全国制覇も果たしたことでも有名な名将である。
冬の3カ月間は室内練習場での練習を余儀なくされるというハンディをものともせず、北陸勢初の全国制覇をはじめ、2度のベスト4、1度のベスト8を果たした。「勝てる集団」を作るために命を懸けて、本気の指導をする東監督の思いが1冊に込められている。
■本文一部抜粋
私が監督となった2011年秋以降、敦賀気比は2017年を除くすべての年で春・夏いずれか(もしくは両方)の甲子園に出場している。2015年のセンバツでは、選手たちのがんばりのおかげで北陸勢として初となる全国制覇を成し遂げることもできた。
甲子園に毎年のように出ているからか、周囲からは「敦賀気比は甲子園に出て当たり前」と思われている。みなさんがそのように思ってくれるのはありがたいが、その分プレッシャーも大きい。毎年、夏の大会期間中は眠れぬ夜を過ごす。
また、冬の12~2月にかけて、敦賀は雪に覆われるため、屋外での練習はほぼできない。私たちは3カ月もの間、ふたつある小さな室内練習場にこもり、ひたすら練習を続けるしかない。これは、一年中、屋外で練習できるチームと比べたら相当なハンディである。でも、私たちは春のセンバツで日本一になることができた。
本書では、私たちがいかにして甲子園常連校となり、北陸勢初の全国制覇を成し遂げるまでに成長できたのかを詳しくお話ししていきたい――本文より
高校野球界の伝統校が再び全国の舞台へ戻ってくるまで
【新刊紹介】
導く力 自走する集団作り(株式会社竹書房)
長尾健司 高松商業野球部監督
★購入はこちら:Amazon.co.jp
わずか就任2年で名門・高松商を20年ぶりの聖地に導いた長尾健司監督。主体性育成論を実践して、結果を残す。選手自らが目標に向かって走り出すように、指導にあたっている。
そんな高松商・長尾監督の指導論が1冊の書籍に詰まっている。
■本文一部抜粋
私が思い描く理想の組織は、「自走する集団」だ。附属坂出中に異動してから出会った言葉であり、追い求め続けてきた。
選手自らが目標に向かって走り出す。たとえ目の前に困難があったとしても、目標を達成するためには必要なものだと理解して、自ら苦を拾っていく。指導者である私は、選手が走り出すための声かけや問いかけを大事にして、さまざまなところに、選手のやる気が高まるような“仕掛け”を作る。
高校野球の監督というと、ピラミッド組織の頂点に立ち、トップダウンで厳しい言葉をかけ続けているイメージがあるかもしれないが、私の立ち位置はまったく違う。選手とはフラットな関係で、笑顔で会話をすることもあれば、自らバッティングピッチャーを務め、選手とともに汗を流すこともある。
どこまでの説得力があるか不安ではあるが、「こういう指導方法もあるのか」「現場の指導に生かしてみたい」とひとりでも多くの方に思ってもらえたら幸いである――本文より
書籍タイトル:『導く力 自走する集団作り』
著者名:長尾健司 高松商業野球部監督
定価:1,800円+税
発行元:株式会社竹書房