國學院栃木vs智辯和歌山
連覇目指した智辯和歌山、國學院栃木の継投の前に1歩及ばす初戦で姿消す
塩路 柊季(智辯和歌山)*春季近畿大会より
トーナメント表
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<第104回全国高校野球選手権大会:國學院栃木5-3智辯和歌山>◇13日◇2回戦◇甲子園
2021年の王者・智辯和歌山(和歌山)が満を持して参加49校最後に登場。開幕戦で勝利をつかみ、勢いに乗った國學院栃木(栃木)と対戦したが、後半勝負で國學院栃木に突き放され、3対5で初戦敗退を喫した。
「武元、塩路の状態をここに合わせてあげられなかったことだったり、打線もここぞで選手に背負わせすぎました」
世代注目の二刀流の武元 一輝投手(3年)、そしてエースナンバーを背負った塩路 柊季投手(3年)という強力2枚看板をはじめとした投手陣。扇の要・渡部 海捕手(3年)らを擁する野手陣で春の近畿大会では大阪桐蔭(大阪)に公式戦初黒星を付けた。この結果から、2004年、2005年の駒大苫小牧(南北海道)以来となる甲子園夏連覇という偉業も期待された。
選手、監督にのしかかる重圧は計り知れない。中谷監督も選手たちの様子を見て、「(私自身も)周りの方の期待や報道を見て感じていた」と話すと、「甲子園が決まってから2連覇を周囲の方々に声をかけられたり、報道を見たりして、目の前の一戦に集中させきれなかったのが反省です」という言葉から悔しい気持ちが十分伝わってきた。
やはりプレッシャーもあったのか、試合を振り返るとフライアウトが11個と多かった。智辯和歌山らしい強打は影を潜めた。このことに主将である岡西 佑弥内野手(3年)も「実力が足りず、センターへの低い打球を打つことができなかった」と敗因の1つに挙げていた。
そのプレッシャーに拍車をかけるように國學院栃木が取った継投策にも、後手に回ることになった。
國學院栃木は技巧派左腕の先発・中澤 康達投手(3年)から平井 悠馬内野手(3年)、変則フォームの本格派・中川 真乃介投手(3年)、そしてエース・盛永 智也投手(2年)と4投手を小刻みに継投してきた。
中谷監督は「(小刻みな継投への)対策はしてきたが、相手の気迫が上回った」と話すも、岡西主将は「盛永投手を想定しており、その他の投手に関する情報がしっかり入りきっておらず、試合中はとにかく自分たちの打撃を心掛けていました」と語り、結果として後手に回ってしまったようだ。
目先を変えられたことで連打もなかなか生まれず、併殺打も3つ記録。チームとしての攻撃に勢いがなかなか生まれなかった。
2021年は日本一の歓喜を味わったが、2022年の夏は選手、監督ともに悔しさを味わう夏となった。この悔しさが、次のステージ、新チームの刺激となり、さらに強くなった智辯和歌山として甲子園に戻ってくるに違いない。
(記事=田中 裕毅)