近江vs鶴岡東
近江・山田につなぐ3番打者から快音 本職に戻りリズム掴む
中瀬 樹 ※写真は過去の大会より
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<第104回全国高校野球選手権大会:近江8-3鶴岡東>◇12日◇2回戦◇甲子園
センバツ準優勝の近江(滋賀)が逆転勝ちで鶴岡東(山形)を下して16強入りを果たした。ドラフト候補の山田 陽翔投手(3年)が投打にわたって活躍し、楽天・田中 将大投手(駒大苫小牧出身)や元日本ハム投手の斎藤 佑樹氏(早稲田実業出身)を超える甲子園通算9勝に届いた。
試合前、近江のオーダーには、遊撃手として2年生ながら主力で活躍していた横田
悟内野手の名前がなかった。選手変更でベンチ外となり、守備位置の変更を余儀なくされた。
初戦では三塁手だった中瀬 樹内野手(3年)が二塁手へ。打球への合わせ方をはじめ、求められる動きは違う不慣れなポジションで「慣れていない部分がありました」と本人も口にするなど、決して簡単ではなかった。
打撃では初戦は3番に座りながらもノーヒット。本人の中でも焦りがあったと思われたが、「元々、二遊間が本職なので、落ち着いてプレーしました」とこれまでの経験を呼び起こし、1回先頭の鶴岡東1番・武田
虎白外野手(3年)のゴロを捌くと、リズムができた。
初戦は「体が開いて思うように打てなかった」と反省したうえで、この試合では逆方向へ強い打球を打つことを意識。1打席目に中前を放ち、今大会初ヒットをマークすると、2対3で迎えた3回の第2打席、ランエンドヒットで逆方向のサードへ痛烈な打球を放った。三塁線は抜けなかったが、内野安打となって同点。その後の逆転劇へとつなげた。
その後、ヒットは記録しなかったが、久々の本職・二塁手の守備でリズムを取り戻し、バットからも快音を響かせた。悲願の日本一に向けて、主砲山田の前を打つ中瀬の復調は心強い。三遊間でコンビを組む横田からは「ごめんなさい」と連絡がきたという。
それに対しては「勝ち進んで次もやるぞ」と先輩らしく後輩を励ました。後輩のため、そして悲願の日本一のためにも、中瀬の攻守にわたる活躍を次も期待したい。
(記事=田中 裕毅)