試合レポート

修徳vs都立鷺宮

2022.09.10

192センチの大型右腕が成長 修徳が25得点で5回コールド勝ち

修徳vs都立鷺宮 | 高校野球ドットコム
修徳・篠崎国忠

 <秋季東京都高校野球大会1次予選:修徳25-1都立鷺宮(5回コールド)>◇10日◇1回戦◇日大二立川グラウンド

 23年の東京都を代表する192センチの大型投手・篠崎国忠投手(2年)を擁する東東京の強豪・修徳が、秋季大会初戦で都立鷺宮を25対1の5回コールドで下した。

 注目の篠崎は「9番投手」で先発出場。初回から4番・逢坂拓未内野手(1年)の犠牲フライなどで援護をもらうと、直球を主体にした制球力重視の投球で、都立鷺宮から3回まで4奪三振、無四球。2本のヒットを許して1点を失ったものの、終始安定した投球を見せていた。

 夏はエースナンバーを付けていたが、この予選は再び背番号10で登録された。背番号1は竹澤尚輝投手(2年)。荒井監督は、「竹澤(と篠崎)の2人への信頼は絶大ですが、競って色々成長してチームを引っ張る投手になってもらいたい」と高いレベルで切磋琢磨するWエースのような存在だととらえている。篠崎本人も背番号については、「あまり気にしていませんし、Wエースでやっていきたい」と話し、意識していない。

 夏の大会を終えてから、「打者寄りでリリースする」ことをテーマにフォームを改善してきた。その試行錯誤の過程は、フォームの変化からも見て取れた。

 夏の大会を通じて、「打者から遠い位置でリリースしてしまい、タイミングを合わせられていた」と感じたことから、リリースを前にすることを課題にするなかで「割れ」を作ることが必要だと感じ、くの字ステップを取り入れたという。これで壁を意識することで、自然と「割れ」が生まれ、理想のリリースに近づいた。

 また、右腕も「夏の時点では肩で上げるようにしていて、負担が大きかったので、自然に右腕が上がるようにしてきた」とコンパクトに使いつつ、左足の着地よりも早くトップを作るように意識を変えた。疲労が減っただけではなく、再現性も高まっていることを実感し、安定して「打者寄りでリリースする」ことができ始めているようだ。

 この日の試合ではマウンドへの対応に苦労したというが、代表決定戦も同じ球場で、日大二と対戦する。都大会に向けて負けられない戦いだが、「一戦一戦ベストを尽くすだけです」と話す。都内のみならず、関東、そして全国を騒がす投手へ、勝負の戦いはまだまだ続くが、先を見ることなく、目先の試合に全力を注ぐ。

 その篠崎を援護したい打線は3回までで4対0とすると、4回には一挙9得点で試合を決める。5回には12得点で都立鷺宮を5回コールドで下し、代表決定戦にコマを進めた。

(記事=田中 裕毅

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.07.07

上田西が0封に抑えられて初戦敗退 23年はオリドラ1を擁して甲子園出場

2024.07.06

23年三重王者・いなべ総合が初戦で敗れる!9回に逆転満塁弾を許す

2024.07.07

滋賀大会では日野がサヨナラ勝ち、伊吹はコールド勝ち【2024夏の甲子園】

2024.07.06

MAX153キロ、高校通算39本塁打、偏差値70! 東京の超進学校に現れた“規格外の男”森井翔太郎の「気になる進路」

2024.07.07

大阪桐蔭・德丸らとU-12代表経験のエリート主将率いる立命館守山が5回コールド発進!【24年夏・滋賀大会】

2024.07.05

白山高元監督の“下剋上球児”再現はあるのか!? センバツ1勝の宇治山田商、2年生集団で東海大会準優勝の菰野など各ブロックの見所を紹介【2024夏・三重大会展望】

2024.07.05

春連覇した加藤学園は悲観達成を狙う! 静岡、日大三島、藤枝明誠、プロ注右腕・小船を擁する知徳らが行く手を阻む!?【2024夏・静岡大会展望】

2024.07.05

静岡大会ではノーシード勢が初戦、常葉大菊川、聖隷クリストファーが開幕6日に登場【2024夏の甲子園】

2024.07.05

大阪大会は京セラドーム大阪で6日に開幕、大阪桐蔭は14日、履正社は14日に初戦【2024夏の甲子園】

2024.07.05

三重大会が6日開幕、昨夏代表のいなべ総合が初日に登場【2024夏の甲子園】

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.23

大阪桐蔭が名門・日体大に1勝1分け! スター選手たちが快投・豪快弾・猛打賞! スーパー1年生もスタメン出場 【交流試合】

2024.06.28

最下位、優勝、チーム崩壊……波乱万丈のプロ野球人生を送った阪神V戦士「野球指導者となって伝えたいこと」

2024.06.23

プロ注目の大阪桐蔭・徳丸が大学生相手に決勝アーチ!直近3週間5本塁打と量産態勢!2年ぶり夏甲子園へ強打者の勢い止まらず!