修徳vs都立鷺宮
192センチの大型右腕が成長 修徳が25得点で5回コールド勝ち
修徳・篠崎国忠
<秋季東京都高校野球大会1次予選:修徳25-1都立鷺宮(5回コールド)>◇10日◇1回戦◇日大二立川グラウンド
23年の東京都を代表する192センチの大型投手・篠崎国忠投手(2年)を擁する東東京の強豪・修徳が、秋季大会初戦で都立鷺宮を25対1の5回コールドで下した。
注目の篠崎は「9番投手」で先発出場。初回から4番・逢坂拓未内野手(1年)の犠牲フライなどで援護をもらうと、直球を主体にした制球力重視の投球で、都立鷺宮から3回まで4奪三振、無四球。2本のヒットを許して1点を失ったものの、終始安定した投球を見せていた。
夏はエースナンバーを付けていたが、この予選は再び背番号10で登録された。背番号1は竹澤尚輝投手(2年)。荒井監督は、「竹澤(と篠崎)の2人への信頼は絶大ですが、競って色々成長してチームを引っ張る投手になってもらいたい」と高いレベルで切磋琢磨するWエースのような存在だととらえている。篠崎本人も背番号については、「あまり気にしていませんし、Wエースでやっていきたい」と話し、意識していない。
夏の大会を終えてから、「打者寄りでリリースする」ことをテーマにフォームを改善してきた。その試行錯誤の過程は、フォームの変化からも見て取れた。
夏の大会を通じて、「打者から遠い位置でリリースしてしまい、タイミングを合わせられていた」と感じたことから、リリースを前にすることを課題にするなかで「割れ」を作ることが必要だと感じ、くの字ステップを取り入れたという。これで壁を意識することで、自然と「割れ」が生まれ、理想のリリースに近づいた。
また、右腕も「夏の時点では肩で上げるようにしていて、負担が大きかったので、自然に右腕が上がるようにしてきた」とコンパクトに使いつつ、左足の着地よりも早くトップを作るように意識を変えた。疲労が減っただけではなく、再現性も高まっていることを実感し、安定して「打者寄りでリリースする」ことができ始めているようだ。
この日の試合ではマウンドへの対応に苦労したというが、代表決定戦も同じ球場で、日大二と対戦する。都大会に向けて負けられない戦いだが、「一戦一戦ベストを尽くすだけです」と話す。都内のみならず、関東、そして全国を騒がす投手へ、勝負の戦いはまだまだ続くが、先を見ることなく、目先の試合に全力を注ぐ。
その篠崎を援護したい打線は3回までで4対0とすると、4回には一挙9得点で試合を決める。5回には12得点で都立鷺宮を5回コールドで下し、代表決定戦にコマを進めた。
(記事=田中 裕毅)