昌平vs正智深谷
打の昌平が正智深谷との打撃戦を制し準決勝へ!
齋藤レフト前タイムリー
<秋季埼玉県高校野球大会:昌平10-6正智深谷>◇25日◇準々決勝◇レジデンシャルスタジアム大宮
前の試合とのスタメンの変更点だが、昌平は前回6番を打っていた磯木 一路内野手(2年)が3番に上がり、3番を打っていた小林 驍汰内野手(2年)が5番へ、5番を打っていた岩間 翔大外野手(2年)が6番に入る。また、前回7番の酒井 啓多外野手(2年)と8番・平田 春樹内野手(2年)が入れ替わる。一方の正智深谷は、前回7番の萩野 三玖捕手(2年)が4番に上がり、5番には波田野 桂伍内野手(1年)が入る。前回5番を打っていた山田 遥斗外野手(2年)が7番に入り、6番を打っていた岩野 直太郎内野手(2年)が8番に入る。
先発は昌平が最速140キロの1年生右腕・佐藤 立羽投手、一方の正智深谷は背番号10の木村 一輝投手(2年)が登板し試合が始まる。
先制したのは昌平であった。
昌平は初回、正智深谷・木村の立ち上がりを攻め立て、2死から磯木が中前安打を放ち出塁すると、続く齋藤 陽貴捕手(2年)の三塁ゴロがエラーとなり1死一、三塁となる。さらに5番・小林が死球で出塁し2死満塁とチャンスを広げると、続く岩間が中前適時打を放ちまず2点。さらに岩間も相手守備が乱れる間に二塁へと進み2死二、三塁とする。ここで、7番・平田も中前へ2点適時打を放つなど、初回から一挙4点を先制する。
昌平は2回裏にも1死から、2番・金子 晄也内野手(2年)が左前安打を放ち出塁。続く磯木の内野ゴロの間に二塁へと進むと、4番・齋藤が中前適時打を放ち5点差をつけ試合の流れをつかんだかに思われた。
だが、正智深谷が猛反撃を見せる。
4回表、この回先頭の笠原 大地外野手が右前安打を放ち出塁すると、続く萩野がバスターで中前安打を放ち無死一、二塁とする。さらに5番・波田野の犠打がエラーとなり無死満塁とチャンスを広げると、続く桒原 康輝内野手(2年)が右前適時打を放ちまず1点。1死後、8番・岩野がスクイズを決め2点目。さらに、続く河村 倫太郎投手(2年)が左前2点適時打を放つと、1番・野口 大輝内野手(2年)も四球を選び2死一、二塁とする。ここで、2番・田中 駿汰外野手(2年)が右前適時打を放ち、ついに5対5の同点とする。
こうなると流れは正智深谷かと思われたが、昌平が再度突き放しにかかる。
昌平はその裏、3回途中からマウンドに上がった正智深谷のエース河村を攻め、1死から2番・金子晄が四球を選び出塁すると、続く磯木のところで昌平ベンチはエンドランを仕掛ける。これは内野ゴロに終わるが、2死二塁とすると、4番・齋藤が左前適時打を放ち再び1点を勝ち越す。
昌平は5回裏にも、この回先頭の岩間が三塁線を破る二塁打を放ち出塁すると、続く平田はきっちりと送り1死三塁とする。8番・酒井は死球で出塁し1死一、三塁とすると、続く渡邊 俊輔投手(2年)も四球を選び1死満塁とチャンスを広げる。ここで暴投でまず1点、さらに1番・甲斐も左前適時打を放ち8対5とする。
対する正智深谷は6回表、4回途中からマウンド上がった昌平のエース渡邊俊を攻め、この回先頭の岩野が四球を選び出塁すると、続く河村がきっちりと送り1死二塁とする。さらに1番・野口が左前安打を放ち1死一、三塁とすると、続く田中のところで正智深谷ベンチはダブルスチールを敢行する。これが決まり1点を返す。
だが、昌平もその裏、1死から齋藤の中前安打を足がかりとし、岩間、平田の連続適時長短打が飛び出し2点を追加し10対6とする。
投げては、4回途中同点の場面から登板したエース左腕・渡邊俊が好リリーフを見せた昌平が結局そのまま10対6で逃げ切り準決勝進出を決めた。
正智深谷はこの日、4エラーと守備が乱れた。たらればを言っても仕方ないが、初回もエラーがなければ無失点であった。田中監督も開口一番「これじゃ勝てない。守備が乱れて四球を出して。負け方が悔しい。野手はよく追いついてくれたんですが、投手陣は自分と戦ってしまった。ただ期待しているチームではあるので」と、反省を促しつつも期待も感じる。来春のシードも獲得しており、打線は振れているだけに、まずは守備と投手力の整備が上位進出への鍵となるであろう。
一方の昌平も、打線が好調を維持しているが、「打てることは打てるんですが、失点ですね。佐藤立は本来もっと球のキレがあるんですが。良い時のピッチングができなかった。渡邊俊は出す予定ではなかったんですが、今日勝たないと意味はないし。彼は計算ができるので。投手陣はゾーンで勝負できるように、あとは何人か調子の悪い打者がいるので修正させます」(黒坂監督)と、投手陣と守備にはこの日課題を残した。
「チームに喝を入れて締め直そうと思っている」(齋藤)と、監督、主将ともに次の試合に向け改めて手綱を締めていた。あくまで狙いは関東。その意識も高く緩みはなさそうだ。
(取材=南 英博)