大阪桐蔭優勝の明治神宮大会。世代No.1左腕・前田、世代屈指のスラッガー・真鍋など評価を上げたドラフト候補たち
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今年の明治神宮大会は大阪桐蔭の優勝で幕が閉じた。今回はドラフト的な観点で大会を総括していきたい。
大阪桐蔭・前田、仙台育英の投手陣のパフォーマンスを総括
前田 悠伍(大阪桐蔭)、仁田陽翔(仙台育英)
大阪桐蔭(大阪)・前田 悠伍投手(3年)が世代No.1投手という評価は揺るぎないだろう。今大会の最速は144キロだったが、130キロ台のツーシーム、カット系の変化球、120キロ中盤のツーシームを武器に、大会全3試合で21回、19奪三振、防御率2.14。仙台育英(宮城)戦では10四死球と大荒れだったが、それでも修正を重ねてクオリティーの高い投球を見せた。
前田は「甲子園の悔しい負けから、苦しみながらも勝てるようになった」と成長点を語った。確かに精神力の強さを感じた大会であったが、まだ直球の威力、コマンド力には改善点がある。個人的には、絶好調時の直球は大学の部で登板していた大学生左腕に負けていない。その直球が全国大会でも投げられるようになることを期待したい。
仙台育英の仁田 陽翔投手(2年)、湯田 統真投手(2年)、高橋 煌稀投手(2年)の3名が注目された。その中で高卒プロ向きと実感したのは仁田。明治神宮大会では、高校生投手最速となる145キロをマーク。準決勝の大阪桐蔭戦の平均球速は141.03キロとトップレベルの球速をマークしていた。
須江監督は仁田投手に安定感は求めつつも、彼の良さであるスケールの大きさを失わせないよう育成をしてきた。その両方を兼ね備えた投手になりつつある。
湯田の140キロ前半の速球とハードな曲がりを見せるスライダーは絶品。高橋は安定して140キロ台をマークしていたものの、やや持ち味を発揮できずに終わった印象はある。
湯田、高橋の潜在能力は高く、成長を期待したい。
東邦の宮國、広陵の真鍋、仙台育英の山田など活躍が光った選手たち
宮國 凌空(東邦)、真鍋 慧(広陵)、山田 脩也(仙台育英)
東邦(愛知)のエース・宮國 凌空投手(2年)は、伸びのある140キロ前後の速球を投げ込んでいたが、大阪桐蔭に集中打を浴び、初戦敗退となった。宮國は1球の重みや、投げ合った大阪桐蔭のエース・前田から、打たれても気落ちすることなく投げるメンタルの強さを感じ取っていた。潜在能力は高いだけに大化けを期待したい。
クラーク記念国際(北海道)の新岡 歩輝投手(2年)は右サイドから130キロ後半の速球を持つ。打者の手元で鋭く曲がるスライダーの切れ味も良く、コールド負けを喫したものの、将来性は抜群だ。
英明(香川)の寿賀 弘都投手(2年)は最速141キロをマークした速球には威力があり、キレのあるスライダーも魅力。何よりパワフルな打撃があり、投打ともに楽しみな逸材だ。
広島広陵(広島)の倉重 聡投手(2年)は常時130キロ中盤〜後半の速球、スライダー、チェンジアップ、カーブを丁寧に投げ分ける投球が光った。期待の大型左腕だ。
野手では2人の逸材がドラフト候補として評価を上げたと考える。それが、広島広陵の真鍋 慧(2年)。東海大菅生(東京)戦、大阪桐蔭戦で特大本塁打を放った。真鍋によると、今大会ではブレが少ないフォームにこだわり、少しずつ感覚をつかんでいる。今回の2本塁打の弾道、打球速度、飛距離は真鍋でしかできないと思わせた。スラッガーとして今後の活躍に期待がかかる。
仙台育英の山田 脩也内野手(2年)も評価を上げた内野手だろう。須江監督が高く評価するように、コンタクト力の高さや、どの試合でも内容のある打撃を見せている。守備でもランニングスローなど複雑なプレーを瞬時にできる。仙台育英出身でプロ入りした遊撃手と比較しても能力は負けていないといえる。
(文=河嶋 宗一)