興南vs中部商

－興南がコールド発進－

＜第105回全国高校野球選手権沖縄大会：興南10－3中部商（8回コールド）＞◇23日◇1回戦◇コザしんきんスタジアム

　興南は沖縄県高校野球春季大会で3回戦負けという屈辱を味わった。しかし何度も逆境をはね除けてきた先輩たちが築いてきた良き伝統を、俺たちの代でも続けるぞという気迫が、大事な初戦で生き、コールド発進という幸先の良いスタートを切ることができた。

－止まらない興南打線。6者連続安打－

　1回、興南は1年生から経験を積んできている仲程 雄海内野手（3年）が逆らわず三遊間を破る左前安打で出塁。その後、エラーで二塁へ進むと2番・大城 倖太内野手（3年）の当たりが内野安打となり一、三塁。3番主将の野里 悠介内野手（3年）が中前へ運び三走が生還しただけでなく、一走が三塁を陥れた。なおも一、三塁が続き4番・安次嶺 良祐外野手（3年）の初球に野里が二盗し二、三塁に。安次嶺が思い切り引っ張った打球は、一塁手の側を素早く抜ける右翼線への二塁打となった。これで3対0。5番・赤嶺 帆玖人外野手（3年）はややラッキーながらも、中前へ落ちるテキサスヒット。さらに6番・大城 盛龍外野手（3年）の打球は左中間へ。中部商のセンターは懸命に追いかけたが、風は右翼から左翼へ。グラブへあと1歩届かず適時二塁打。先頭から6者連続安打の猛攻だった。

　たまらない中部商ベンチは背番号1の3年生・長嶺 大翔投手をマウンドへ送る。7番を浅い右飛に打ち取り、なんとかここで1死を奪ったが、その後暴投などで興南が大量5点をボードに刻み込んだのだった。

－中盤粘る中部商も、小刻みに加点した興南がコールドゲームで大勝－

　興南先発のエース平山 航多投手（3年）の前に3回まで安打1本、5三振を喫していた中部商だったが、4回四球の走者を二塁へ進めて6番・屋良 謙太の放った飛球が、興南左翼手の安次嶺が打球の目測を誤り頭上を越える適時二塁打となった。1回に適時二塁打を放っていた安次嶺だったが、ナインを引き締めるためか、興南ベンチは迷わず安次嶺に代えて山田陽を守りにつかせた。

　4回までに既に7奪三振の興南・平山だったが、5回の先頭打者にも四球を与えてしまう。ここで中部商は長嶺が左中間へ運び1点。さらにその後4番・宇根 稜介/player]が左前へ運び、最大6点あったビハインドを3点差へと押し戻した。

　だが興南は5回に平山の適時二塁打、6回にも赤嶺の適時打で小刻みに加点。8回には走者2人を置いて、主将の野里が左中間へ運びコールドゲームが成立した。興南が4本の長打を含む14安打を集めて快勝。幸先良いスタートを切った。

記事：當山 雅通

中部商
０００　１２０　００　｜３
５０１　０１１　０２×｜10
興南
（中）宮城塁、長嶺－岸本
（興）平山、田崎－砂川
▽本塁打：なし
▽三塁打：なし
▽二塁打：野里、安次嶺、大城盛、平山（興）屋良、長嶺（中）