News

4年ぶり優勝を狙う花咲徳栄主将の夢は「救急救命士」、夢のきっかけになった兄からの言葉

2023.06.26


佐藤 綾斗(花咲徳栄)

 埼玉県高校野球の強豪・花咲徳栄は今夏、4年ぶりの甲子園出場を狙う。15年から22年まで8年連続で育成を含めた高卒プロを輩出している名門校で、高卒プロ志望以外の選手でも、野球を継続する選手が多く、大学球界で活躍する選手も多い。

 その流れとは逆に、今年の3年生には、プレーヤーとしては高校で終え、将来の夢を語る選手がいる。それが主将の佐藤 綾斗外野手(3年)だ。

 現在は三塁コーチャーとしてチームを支えているが、小学校時代はベイスターズジュニアに所属、中学時代は東京神宮リトルシニアで主に遊撃手として活躍していた。しかし、花咲徳栄に入学すると、先輩や同期の遊撃手のレベルの高さに驚き、外野手でプレーすることになり、今年の3月に主将に就任した。

 佐藤の夢は「救急救命士」だという。

「自分の兄が警察官で、その影響で、人を助ける立ち位置になりたいと思ったからです」

 この夢は2年生の時に決断した。大学で野球を続けるか、迷った時、兄の言葉が佐藤の胸に大きく響いた。

「高校2年生ぐらいのときに兄と話す機会があって、兄は『人を助ける仕事』はいいぞ!と言ったのが一番のきっかけです。その時は(進路で)凄く悩んで、そういう言葉をいただいて、いいなと」

 花咲徳栄は2年冬ぐらいから面談で進路を話し合う。佐藤は自分の夢を岩井監督に語った。「その資格を得るために大学に行きたい」と。

「岩井先生(監督)からは勉強は大丈夫なのか?といわれて。がんばります。と答えて、『頑張れよ』と言葉をいただきました」

 花咲徳栄には、将来に向けいろんな夢を持った選手がいる。それでも、激戦区である埼玉を勝ち抜いて、甲子園に行く、そして日本一を目指すという共通認識は忘れない。

 佐藤は三塁コーチャーとして、「いかに得点を増やせるか、そして走塁面で最善の判断を下せるか」にこだわって、選手たちをサポートする。

 この夏、花咲徳栄が楽しみだ。

この記事の執筆者: 田中 裕毅

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.07.06

23年三重王者・いなべ総合が初戦で敗れる!9回に逆転満塁弾を許す

2024.07.07

上田西が0封に抑えられて初戦敗退 23年はオリドラ1を擁して甲子園出場

2024.07.07

滋賀大会では日野がサヨナラ勝ち、伊吹はコールド勝ち【2024夏の甲子園】

2024.07.06

MAX153キロ、高校通算39本塁打、偏差値70! 東京の超進学校に現れた“規格外の男”森井翔太郎の「気になる進路」

2024.07.06

高校生ドラフト期待度ランキング10位-1位 ドラフト上位有力“超高校級の逸材”の中から1位に輝いたのは…?【2024夏直前版】

2024.07.05

白山高元監督の“下剋上球児”再現はあるのか!? センバツ1勝の宇治山田商、2年生集団で東海大会準優勝の菰野など各ブロックの見所を紹介【2024夏・三重大会展望】

2024.07.05

春連覇した加藤学園は悲観達成を狙う! 静岡、日大三島、藤枝明誠、プロ注右腕・小船を擁する知徳らが行く手を阻む!?【2024夏・静岡大会展望】

2024.07.05

静岡大会ではノーシード勢が初戦、常葉大菊川、聖隷クリストファーが開幕6日に登場【2024夏の甲子園】

2024.07.05

三重大会が6日開幕、昨夏代表のいなべ総合が初日に登場【2024夏の甲子園】

2024.07.05

大阪大会は京セラドーム大阪で6日に開幕、大阪桐蔭は14日、履正社は14日に初戦【2024夏の甲子園】

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.23

大阪桐蔭が名門・日体大に1勝1分け! スター選手たちが快投・豪快弾・猛打賞! スーパー1年生もスタメン出場 【交流試合】

2024.06.28

最下位、優勝、チーム崩壊……波乱万丈のプロ野球人生を送った阪神V戦士「野球指導者となって伝えたいこと」

2024.06.23

プロ注目の大阪桐蔭・徳丸が大学生相手に決勝アーチ!直近3週間5本塁打と量産態勢!2年ぶり夏甲子園へ強打者の勢い止まらず!