右の強打者揃いの慶應義塾打線にスキなし、課題は投手力のレベルアップか、同ブロックの対抗馬は横浜創学館、向上
小宅雅己、清原勝児、福井直睦(慶應義塾)
第105回全国高校野球選手権神奈川大会の組み合わせが決まった。
慶應義塾は平塚工科と神奈川白山の勝者と対戦。慶應義塾は、全国でもトップレベルの強力打線を誇るのが最大のストロングポイントだ。右打者では、来年の世代を代表するスラッガーになりそうな加藤 右悟外野手(2年)、公式戦でその長打力を発揮してきた福井 直睦内野手(3年)、また、好調時は本塁打量産を期待できる清原 勝児内野手(2年)、春大当たりの渡邉 千之亮外野手(3年)とスラッガー揃いの右打者に、延末 藍太内野手(3年)といった器用さを持った左の好打者がいて、打線にスキが見当たらない。
また基本的に継投策で、試合運びは先進的。完成度の高い投球を披露する小宅 雅己投手(2年)、期待の大型左腕・鈴木 佳門投手(2年)、球威もレベルアップしている右腕・松井 喜一投手(3年)の3人が軸。組み合わせを見ると、慶應義塾としては自分のペースで試合運びができそうで、タイトなスケジュールになる終盤以降へ向けての組み合わせは他のシード校と比べると恵まれているといえる。
打線は問題ない。あとは技巧派タイプの対応力を磨き、大会に向けて調子を発揮するだけだとみる。
5年ぶり出場のカギとしてはやはり投手陣のレベルアップ。夏はまとまっているだけでは通用しない。中心となる3人がパワーアップした投球ができるか注目したい。
このブロックでは、先進的な取り組みで、着実に力をつけてきた公立校・市ヶ尾が神奈川横須賀と神奈川桜丘の勝者と対戦する。
慶應義塾が準々決勝で当たる可能性として見逃せないのが横浜創学館と向上。
横浜創学館は本格派右腕・鈴木 圭晋投手(2年)の成長に期待。打線は、巧打堅守の遊撃手・小室 壮真内野手(3年)を中心にハイレベルな打者が揃う。
一方で、向上は継投策で勝負。打線は、遊撃手の武富 航佑内野手(3年)を中心に振れる打者が揃っており、基本的な守備力も高い。今春の準々決勝では慶應義塾相手に多くの選手を起用しながら、1対6で敗れた。投打でどれだけ選手が成長するか。
(文=河嶋 宗一)