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甲子園史上最長の7日間雨天順延、「練習場が見つからない」「ボールに触れない」中で知った野球の神様を微笑ませる方法

2023.08.15


「あのときは(屋内の)駐車場で走ったりするぐらいしかできなかったですね。外での練習はもちろん、キャッチボールも出来ない日が何日も続いて、チーム内に不安が広がっていきました」

そう語るのは、西日本短大付属(福岡)の西村慎太郎監督。2021年、夏の甲子園に出場した同校は、大雨などの影響でじつに7日間も試合が順延された経験がある(2回戦の二松学舎大付属<東東京>戦)。

台風7号に伴い、今大会初の雨天順延となった第105回全国高等学校野球選手権。慣れない宿舎での日々を送る各校の球児たちは、急な予定変更にどう対応をしているのだろうか? “史上最長の順延”を経験した西村監督に聞いた。

とにかく大変だったのは、「練習場所の確保」だったという。
出場各校は高野連より練習日・練習会場を割り当てられるのだが、じつはこれ、雨が降らないことを前提で組まれたスケジュールなのだ。雨が降って練習会場が使えない場合は、各チームは自力で練習場所をみつけなければならない。

「甲子園の室内練習場を使わせてもらいましたが、よい場所がなかなか見つからず、とても苦労しました。結局バッティングがかろうじてできる小スペースを、教え子がもっていました。そこを借りて練習しました。後は、駐車場で走る、宿舎の広間で素振りをするなどの対応しか取れませんでした」(西村監督・以下同)

練習場が見つからないことで、徐々にチームに不安が広がっていった。
「バッティング練習や守備練習ができないんですよ。つまりボールを扱う練習ができないということ。週休1日のチームなら週に1日はボールを触らないこともあるでしょう。ただこれが、2日、3日続くとなると今までに経験したことの無い不安を感じるようになりました」

不安を払しょくするには、状況を受け入れ、前向きにとらえるしかない——。西村監督は選手を鼓舞し続けた。

「すべてをポジテイブに捉えるよう、ふだんより何倍もプラス思考に考え、子どもたちに声をかけました」

前代未聞の7日順延後、西日本短大付は0-2と惜敗したが、この雨の経験は大きかった。同校は、その後3期連続で九州大会に出場するなど、安定した力を発揮し続けている。

「あの経験の後、物事がマイナスに動いても、プラスに持っていけるような思考力、考え方を身につける必要があると感じて、日常生活から変えていくように指導してきました。野球は、アウトと思ったものがセーフに、ストライクと思ったのがボールになることがあるスポーツですから。最近、ベンチや練習中、子どもたちは以前よりも前向きな声がけができるようになったと感じています」

急な雨や猛暑。不測の事態を前向きにとらえるマインドが、選手を、チームを大きく成長させるのだ。

この記事の執筆者: 田中 裕毅

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1 Comment

  1. ayakun

    2023-08-21 at 4:16 PM

    両チームとも全力尽くして頑張ってください。
    この緊張感を相手にぶつけ合い決勝に向かってね!

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