智辯和歌山、市立和歌山が優勝争いを牽引か 和歌山大会の注目ポイント
第105回全国高校野球選手権和歌山大会が11日に開幕する。39校36チームが出場し、春に4強入りした市立和歌山、智辯和歌山、和歌山南陵、箕島がシード校となった。シード校は4つのゾーンに散らばり、準決勝で再抽選を行うことになっている。6月24日に行われた組み合わせ抽選会の結果を踏まえ、大会の展望を行っていきたい。
優勝争いは6大会連続の夏の甲子園出場を目指す智辯和歌山と、春優勝の市立和歌山を中心に展開されるだろう。智辯和歌山は青山 達史外野手(3年)、中塚 遥翔内野手(3年)の長距離砲を中心に打線が強力。足を使える多田羅 浩大外野手(3年)もいて、多彩な攻撃で得点を積み重ねる。
投手陣も技巧派左腕の吉川 泰地投手(3年)と最速146キロ右腕の清水 風太投手(3年)を中心に好投手が揃っており、投打のバランスがとれている。センバツ後はケガ人が続出したが、俊足外野手の藤田 一波外野手ら1年生の台頭が目立ち、チーム内競争は激しさを増した。夏にはベストメンバーで戦うことができるかに注目だ。
智辯和歌山のいるDゾーンは昨夏準優勝の桐蔭や秋の近畿大会に出場した海南、堅い守りを見せる熊野や投手力の高い星林など公立の有力校が揃う。智辯和歌山が頭一つ抜けている感のあるゾーンだが、一泡吹かせるチームは現れるか。
市立和歌山は最速145キロ右腕の栗谷 星翔投手(3年)がエースとして頼もしさを増した。控え投手の小野 莞都投手(3年)も140キロ超えの速球を投げる本格派右腕で、投手力に不安はない。打線は2年生ながら4番捕手の大役を務める麹家 桜介捕手やパワーのある藤井 新外野手(3年)に当たりが出れば、得点力がアップする。
Cゾーンで市立和歌山の対抗馬となりそうなのが日高中津。投打の柱である市木 栄勇投手(2年)を中心に個々の能力は高く、初戦敗退に終わった春からの巻き返しを図っている。打力のある日高や春8強の新宮、安定して力を発揮する向陽なども上位進出を目指す。
激戦になりそうなのがBゾーン。シード校の和歌山南陵は昨夏4強時のレギュラーが多く残っている。主将で4番・捕手の松谷 仙捕手(3年)が好守でチームを引っ張り、キレのある変化球を投げる左腕の片岡 雅天投手(3年)や本格派右腕の上田 航毅投手(3年)や松下 光輝投手(2年)など多彩な投手陣を巧みにリードする。
秋の近畿大会に出場した近大新宮はエースの大槻 虎生投手(3年)が腰を痛めて登板できなかった影響もあり、春は初戦敗退。彼の復調具合がチームの命運を左右するだろう。このゾーンは初芝橋本、県立和歌山商、田辺、耐久と試合巧者のチームが多く、どこが勝ち上がってきてもおかしくはない。
箕島は主将で4番・捕手の澤 虎太郎捕手(3年)が大黒柱。今年は投手も務め、フル回転の活躍が期待される。
昨春の甲子園に出場した和歌山東は打線の中核を担う谷村 剛内野手ら2年生に有望選手が多い。春は3回戦敗退に終わったが、成長した姿を見せられるか。