試合レポート

京都成章vs大谷

2023.07.13


1失点完投勝利を収めた田崎脩太(京都成章)

エース・田崎が復活の1失点完投!京都成章が大谷を下す

<第105回全国高校野球選手権京都大会:京都成章6-1大谷>◇12日◇2回戦◇あやべ・日東精工スタジアム

 6年ぶりの甲子園を目指す京都成章が苦戦しながらも初戦を突破した。

 1回、安打と相手の失策から無死一、三塁のチャンスを作ると、3番・鳴坂 颯友外野手(3年)の中犠飛で1点を先制。その後も2死満塁と追加点の好機は続いたが、大谷の先発・登田 樹念投手(3年)が踏ん張り、1点止まりに終わる。

 2回以降は登田が緩急を上手く使い、走者を出しながらも粘り強い投球で京都成章に追加点を許さない。一方、京都成章先発の田崎 脩太投手(3年)は武田勝(元日本ハム)の投球フォームを彷彿させる左腕。「序盤は真っすぐが良かったので、押していける自信があった」と伸びのある直球を主体にチェンジアップやカーブで上手くタイミングを外し、5回までスコアボードに0を並べた。

 しかし、6回2死三塁のピンチを招くと、4番・細川 倖平内野手(3年)に左越え適時二塁打を浴びて同点に追いつかれてしまう。なかなか追加点を取れない展開中で追いつかれ、京都成章にとっては重苦しい展開となった。

 だが、その直後に打線が目覚める。7回に2死三塁のチャンスを作ると、ここまで3打数3安打の4番・寺地 悠太郎外野手(3年)に打席が回る。「しっかりストレートを張って、それを思い切って振れたのが一番良かった」と2ボールからの直球を振り抜くと、ライナーで左翼手のグラブを弾く適時打となり、勝ち越しに成功した。

 再びリードを奪った京都成章は8回と9回に2点ずつ追加。田崎は終盤になっても球威は衰えず、119球を投げて8安打1四球1奪三振で1失点完投勝利を収めた。

 エースらしい投球を見せた田崎だが、春先は苦しんだ。春の府大会では京都国際戦に先発するも6回10失点。「1週間くらいは投げたくない」と落ち込み、5月は左肩の炎症にも悩まされた。その影響で腕の位置をやや下げるなど試行錯誤もあったが、夏の初戦で見事に復活。「春以降は色んな面で崩れていましたが、最後の夏に戻ってきてくれていました。投げ切ってくれたのは大きい」と松井常夫監督はエースの復調に安堵した。

 投打の柱が活躍して初戦を突破した京都成章。次戦に向けて弾みがつく勝利となった。

この記事の執筆者: 田中 裕毅

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.07.06

23年三重王者・いなべ総合が初戦で敗れる!9回に逆転満塁弾を許す

2024.07.06

MAX153キロ、高校通算39本塁打、偏差値70! 東京の超進学校に現れた“規格外の男”森井翔太郎の「気になる進路」

2024.07.06

高校生ドラフト期待度ランキング10位-1位 ドラフト上位有力“超高校級の逸材”の中から1位に輝いたのは…?【2024夏直前版】

2024.07.06

【7日登場の逸材たち】超進学校・桐朋の二刀流が登場!横浜隼人の149キロ右腕、名門・県立岐阜商の149キロ右腕などプロ注目選手が続々初戦を迎える

2024.07.06

福岡大会ではシード校が明暗!大牟田、九産大九産が敗退、福岡大大濠、東海大福岡、春日、鞍手は勝利

2024.07.05

白山高元監督の“下剋上球児”再現はあるのか!? センバツ1勝の宇治山田商、2年生集団で東海大会準優勝の菰野など各ブロックの見所を紹介【2024夏・三重大会展望】

2024.07.05

春連覇した加藤学園は悲観達成を狙う! 静岡、日大三島、藤枝明誠、プロ注右腕・小船を擁する知徳らが行く手を阻む!?【2024夏・静岡大会展望】

2024.07.05

静岡大会ではノーシード勢が初戦、常葉大菊川、聖隷クリストファーが開幕6日に登場【2024夏の甲子園】

2024.07.05

大阪大会は京セラドーム大阪で6日に開幕、大阪桐蔭は14日、履正社は14日に初戦【2024夏の甲子園】

2024.07.05

三重大会が6日開幕、昨夏代表のいなべ総合が初日に登場【2024夏の甲子園】

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.28

最下位、優勝、チーム崩壊……波乱万丈のプロ野球人生を送った阪神V戦士「野球指導者となって伝えたいこと」

2024.06.23

プロ注目の大阪桐蔭・徳丸が大学生相手に決勝アーチ!直近3週間5本塁打と量産態勢!2年ぶり夏甲子園へ強打者の勢い止まらず!

2024.06.24

愛媛の組み合わせ決定!今春優勝の松山商・大西主将は「どのチームと闘っても自信をもってベストなゲームをしたい」シード4校主将が意気込み語る!