初の甲子園出場を狙う「脱丸刈り」の昌平、監督はシダックスで野村克也氏から緻密な野球論を学ぶ
この夏の甲子園(第105回全国高校野球選手権記念大会)は、慶應義塾(神奈川)以外でも、丸刈りにしていない学校が躍進している。
ベスト16入りした土浦日大(茨城)、浜松開誠館(静岡)や、高校通算140本塁打のスラッガー・佐々木 麟太郎内野手(3年)を擁する花巻東(岩手)も、「脱丸刈り」だ。
花巻東は2018年夏の甲子園後から、丸刈りの強制をやめた。2019年出場時の中村 勇真主将(現・同志社大)は「丸刈りならば寝癖もつきませんが、髪を伸ばしたことで、しっかりと髪型や身だしなみというのは、より注意するようになりました」と語っていた。
「脱丸刈り」にした学校で初の甲子園出場に期待がかかる学校といえば昌平(埼玉)と考えている。昌平はシダックスでプレーした黒坂監督が指揮。シダックス時代には、野村克也監督からID野球を学んだ。
そのため、緻密な練習が行われ、技術指導力もある。近年は判断力が長けて、走攻守三拍子揃った選手が多い。21年には大型外野手・吉野 創士外野手(3年)が楽天からドラフト1位指名を受けた。近年は「脱丸刈り」を進め、思考力の高い選手が多く、大人びて見える。
今年のチームは秋、春と県大会で優勝。夏は惜しくもベスト4で敗退したが、今では埼玉の第1勢力になった。2年生スラッガー・山根 大翔内野手や、1年生ながらスタメンで活躍した櫻井 ユウヤ内野手と、期待の逸材も多い。
激戦区の埼玉だが、甲子園初出場の可能性は十二分にあり、高校野球ファンを魅了するチームであることは間違いない。