News

なぜ23年夏の甲子園のトレンドワードが「脱丸刈り」「丸刈り」になったのか

2023.08.19


 この夏の甲子園(第105回全国高校野球選手権記念大会)は「脱丸刈り」「丸刈り」がトレンドワードとなっている。ここまでこのワードが続くのも珍しい。なぜこのワードが続いたのか、考えていきたい。

 確かに、この夏の甲子園は「脱丸刈り」を進めている学校の上位進出が目立つ。ただ地方大会からずっと観戦しているファンや、取材をしている記者からは「脱丸刈りを進めている学校は多くあるのに、ここまで盛り上がっているのは違和感」という声もあった。

 開幕したばかりの甲子園のトレンドワードは「クーリングタイム」だった。今大会初めて適用したクーリングタイムだったが、直後に足をつる選手が多く出たことが影響している。

 しばらくはこのワードが続いたが、流れが変わったのは慶應義塾(神奈川)の登場だろう。慶應義塾は、昔から「脱丸刈り」を実践してきた象徴的な存在。森林監督の考えを載せた記事も大反響だった。そして慶應義塾の選手たちがスマートに、力強くプレーしていることも、ファンの心を捉えた。

 これにより、多くの野球ファン、一般人にも影響を与えたことで、流れが変わってきた。

 この流れに、多くのメディアが乗り、「丸刈り」か「脱丸刈り」についての記事が掲載され、さらにトピックされ、ネット内で毎日叫ばれる大会になったのだ。

 また今大会はそれに変わるインパクトのある学校や、スター選手の、ド派手な活躍がなかったのも影響している。大会ではどの学校も素晴らしい野球を見せているし、選手たちも素晴らしいプレーを見せているが、一般人からすれば、「脱丸刈り」から話題を変えさせるほどのインパクトはなかった。

 多くの野球ファン、一般人まで巻き込んだ「脱丸刈り」「丸刈り」論争。23年夏の甲子園のキーワードとなった。

 この大会を制するのはどのチームになるのか。

この記事の執筆者: 田中 裕毅

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.07.07

上田西が0封に抑えられて初戦敗退 23年はオリドラ1を擁して甲子園出場

2024.07.06

23年三重王者・いなべ総合が初戦で敗れる!9回に逆転満塁弾を許す

2024.07.07

滋賀大会では日野がサヨナラ勝ち、伊吹はコールド勝ち【2024夏の甲子園】

2024.07.06

MAX153キロ、高校通算39本塁打、偏差値70! 東京の超進学校に現れた“規格外の男”森井翔太郎の「気になる進路」

2024.07.07

大阪桐蔭・德丸らとU-12代表経験のエリート主将率いる立命館守山が5回コールド発進!【24年夏・滋賀大会】

2024.07.05

白山高元監督の“下剋上球児”再現はあるのか!? センバツ1勝の宇治山田商、2年生集団で東海大会準優勝の菰野など各ブロックの見所を紹介【2024夏・三重大会展望】

2024.07.05

春連覇した加藤学園は悲観達成を狙う! 静岡、日大三島、藤枝明誠、プロ注右腕・小船を擁する知徳らが行く手を阻む!?【2024夏・静岡大会展望】

2024.07.05

静岡大会ではノーシード勢が初戦、常葉大菊川、聖隷クリストファーが開幕6日に登場【2024夏の甲子園】

2024.07.05

大阪大会は京セラドーム大阪で6日に開幕、大阪桐蔭は14日、履正社は14日に初戦【2024夏の甲子園】

2024.07.05

三重大会が6日開幕、昨夏代表のいなべ総合が初日に登場【2024夏の甲子園】

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.23

大阪桐蔭が名門・日体大に1勝1分け! スター選手たちが快投・豪快弾・猛打賞! スーパー1年生もスタメン出場 【交流試合】

2024.06.28

最下位、優勝、チーム崩壊……波乱万丈のプロ野球人生を送った阪神V戦士「野球指導者となって伝えたいこと」

2024.06.23

プロ注目の大阪桐蔭・徳丸が大学生相手に決勝アーチ!直近3週間5本塁打と量産態勢!2年ぶり夏甲子園へ強打者の勢い止まらず!