試合レポート

【U-18】1次ラウンド 日本 vs スペイン

2023.09.02


コールド発進したU-18日本、収穫のある試合内容でも、不安要素が残る面も

<U-18W杯:日本10-0スペイン(6回コールド)>◇1日◇1次ラウンド◇台湾

侍ジャパンU-18代表はスペインに6回コールド勝ちを収めた。

「スペインには打ち勝つ試合をしたいですね」と壮行試合の試合後、そう語っていた馬淵監督。10対0と6回で試合を終えたことはかなり収穫があったといえるが、一方で課題もあったことは確かだ。

4投手のリレーで、連投可能な球数で終えることができたことは収穫だった。先発の東恩納 蒼投手(沖縄尚学)は試合が均衡した形であれば、4回ぐらいが目安と思われたが、2回まで8対0にしたことで、わずか24球、2回4奪三振と、タフネスな東恩納にとっては負担が少ない状態で終えることができた。

2戦目のパナマ戦でも投げることはできるが、中1日で、3戦目の米国戦に総力を注ぎ込むことができる。2番手以降の3投手にとってもいい経験ができた。

また、野手登録の選手はすべて起用した。その中でも小技タイプの緒方 漣内野手(横浜)が猛打賞3打点の活躍を見せた。右方向にも長打を放つなど、打撃の状態は上がっている。馬淵監督から守備面で絶大な信頼を置かれている緒方の打撃面での活躍は大きいだろう。4番・森田 大翔内野手(履正社)は強烈な打球を放った。まだタイミングや、トップの位置取りに苦労している感はあるが、それでも今年の代表選手の中で最も鋭い打球が打てる。

主将・小林 隼翔内野手(広陵)は攻守に安定感があり、特に守備面でも好プレーを連発していた。

ただ一方で課題はもちろんある。スペインの長身投手・ペーニャの前に3回2安打に抑えられ、得点を挙げられなかった。角度のある130キロ中盤の速球に詰まらされ、凡フライや、内野ゴロが多かった。米国など強豪国の投手は長身の速球派が多く、ペーニャより平均球速5キロ以上は上回ることが予想される。今回はコールド勝ちしたが、スペインが守備で崩れなければ、分からない試合でもあった。

強豪校相手なら2、3点勝負もしくは、この日の日本代表チームの打力では1点勝負になるかもしれない。

それでも、多くの選手を経験させつつ、球数も40球以上投げる投手もいなかった。負担少なく勝てたという点では、ほぼ満点とも言える試合内容ではないか。次のパナマ戦でも試合内容が問われる一戦になりそうだ。

この記事の執筆者: 田中 裕毅

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