【宮城】1回戦 東陵vs大崎中央
試合を決める適時打を放ち笑顔の東陵・齋藤大翔
東陵、投打かみ合い好発進 4番・齋藤大翔が4安打3打点
<秋季東北地区高校野球宮城県大会:東陵8-1大崎中央>◇12日◇1回戦◇鹿島台中央野球場
県大会で今春、今夏と続けて4強入りした東陵が、新チームで臨む秋の県大会も好スタートを切った。先発の眞壁 悠斗投手(2年)が8回3安打1失点と好投し、打線は13安打8得点と機能。東部地区予選では日本ウェルネス宮城に完封負けを喫したこともあり、千葉亮輔監督は「決して打てるチームではない」と話すが、この日は打ちまくり8回コールド勝ちを収めた。
東陵は初回に3番・沼田 和丸外野手(2年)の犠飛で先制する。2回にも9番・高野 聡介外野手(2年)の適時打などで2点を追加すると、その後もコンスタントに得点を重ね、8回は4番・齋藤 大翔外野手(2年)が左翼線への適時二塁打を放ち試合を決めた。齋藤は4回にも2点適時打をマークしており、4安打3打点と躍動した。
齋藤は新チームになってすぐの練習試合で、右足首を捻挫するアクシデントに見舞われた。地区予選は欠場したものの県大会に間に合わせ、打撃を買われ大役を任された。「このチームは打順関係なく、いろんな人が長打も単打も打てるので、4番のプレッシャーは感じていない」と胸を張る。
レギュラーとして臨む初めての県大会で初戦から十分すぎる結果を残したように思えるが、本人は「(手応えは)全然ない。元々引っ張りが得意だけど、流して詰まる打球が多かった」と冷静だった。理想は「長打を打てるアベレージヒッター」。ケガを乗り越えた新4番は成長を続ける。
千葉監督が「ピッチャーと守りが良かった」、齋藤が「守りから攻撃につなげられた」と振り返ったように、好投した真壁と無失策の守備陣も勝利を呼び寄せた。真壁は直球に球速以上の球威があり、与四球0(死球は1)と制球力も光らせた。
今年の2年生は経験値が高いとは言えず、夏の県大会、最後の試合のスタメンは全員3年生だった。新チームは「頼れる選手がいない分、みんなで勝ちにいこうというチーム」(千葉監督)。新しい戦い方を探りつつ、一つでも多く勝ち進む。
(取材=川浪康太郎)