試合レポート

【東京】代表決定戦 都立板橋 vs 都立多摩

2023.09.19


都立板橋が5回コールド大勝で都大会出場!部員9人の都立多摩の健闘光る

<秋季東京都高校野球大会1次予選:都立板橋13ー0都立多摩(5回コールド)>◇18日◇代表決定戦◇日大鶴ヶ丘グラウンド

秋季都大会の1次予選の最終日も第3試合になった。他会場の試合は終わり、最後となる64番目に出場を決める戦いは、都立勢同士の対戦になった。

都立板橋は、昨年の秋は代表決定戦で、1点差で敗れ、惜しくも本大会に出場できなかった。「昨年のチームは力があった分、今年は経験者が少なく、どうなるかと思っていました。でも野球が好きで、よくやってくれています」と渋谷国之監督は語る。

一方、都立多摩は部員が9人。しかも、もとは7人で、バスケットボール部から転部した生徒と、野球経験はあるものの、入学してからは野球部に入部しなかった生徒が入部して、やっと揃った9人である。それでもエースの毛塚 陸斗は球に力強さがあり、1回の都立板橋の攻撃を奪三振2の無失点に抑え、可能性を示した。

しかし2回の都立板橋は、制球が甘くなったところを見逃さず、3番・小川 翔太郎の二塁打や草野 佐介の三塁打を含め安打6本を集め、加えて守備の乱れやバッテリーエラー、4四死球も重なり、一挙に10点を入れる。

都立板橋は3回にも2番・遠藤 海璃、3番・小川の連続三塁打などで2点を追加。4回にも1点を加える。

投げては先発の田村 知嗣が4回を投げて都立多摩の4番・日高 煌己の右前安打1本に抑え、5回も遠藤が3者凡退に抑えた。ただ都立多摩の選手は、点差が開いても、凡ゴロ、凡フライでも一塁に全力で走るなど、しっかり戦っている姿が印象に残った。

都立多摩は大敗したものの、エース・毛塚は球威があるだけに、今後、制球などを磨けば、伸びていく可能性はある。この秋から監督に就任した都立多摩の道祖土優太監督は、「ひと冬越えて3月まで、まずしっかり体を作って、技術もつくようにしたいです」と語った。今日、多くの都立校が部員不足に悩み、連合チームなどで出場するケースが増えている。どの学校にも大会に出場する機会があることが重要で、連合チームも大切な存在である。それでも、単独のチームで出た経験は貴重である。都立多摩は、代表決定戦は大敗したが、1勝しており、大敗した代表決定戦での試合ぶりも含め、その健闘は称えられる。

一方、都立板橋は野球を楽しんでいることが伝わるチームだ。渋谷監督は報徳学園の出身。神戸大を経て一般企業に就職したが、高校野球の指導者を目指して脱サラ。部員は1人だけだったが、都立浅草の野球部を立ち上げるなど、情熱のある指導者だ。都大会に向けては、「楽しみしかありません」と語り、生徒の可能性に期待している。

 

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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