【宮城】3位決定戦 仙台一 vs東陵
仙台一、秋17年ぶりの東北大会切符でセンバツへ1歩前進、仙台育英を破った東陵は東北大会出場ならず
<第76回秋季東北地区高校野球宮城県大会:仙台一5-3東陵>◇24日◇3位決定戦◇仙台市民
勝った方が最後の東北大会出場切符を手にする3位決定戦。仙台一と東陵は今春の3位決定戦でも対戦しており、春は仙台一がタイブレークの激戦を制した。この日は仙台一打線が4回までに5点を奪い試合の主導権を握ると、先発の安藤 舜投手(2年)が9回113球を投げ3失点と力投し、リードを守り切った。仙台一が秋の東北大会に出場するのは2006年以来、17年ぶり。センバツ出場に向け、1歩前進した。
仙台一は初回、3番・髙橋 彪外野手(2年)の適時二塁打で先制する。3回に追いつかれるも、直後に髙橋が今度は犠飛を放ち勝ち越し。4回には1死一、三塁の好機で1番・藤原 啓内野手(2年)が右翼席へ3点本塁打を放り込み、点差を広げた。東陵は2番手の眞壁 悠斗投手(2年)が5回以降無失点に抑え、打線は終盤に2点差まで追い上げるも、及ばなかった。
藤原は本塁打を含む3安打をマークし、全5打席で出塁。「大事な場面で役割を果たして、勝利に貢献できたのがうれしい」と安堵の表情を浮かべた。今大会は全試合で1番を打ち、打率.556(18打数10安打)、2本塁打と打ちまくった。
2年生ながら今春から三塁のレギュラーに定着し、上位打線を任され続けてきた。しかし3回戦で敗退した今夏の県大会では、最後の打者になる悔しさを味わった。「ここ一番で打てる勝負強さを身につけたい」。そんな思いを抱き、秋に向けてメンタルを強化。練習中から「打たないと負ける」場面を想定し、自らにプレッシャーをかけるトレーニングを積んできた。
努力は実り、秋の飛躍につながった。頼れるリードオフマンは「夏、負けた時の光景は鮮明に覚えている。その感触を忘れずに、これからも練習したい」と力を込めた。
準々決勝で強敵・仙台育英を破った東陵は東北大会出場を逃した。前日の準決勝は8回までリードする展開ながら、9回に4失点し惜敗。主将の飯塚 祐太内野手(2年)は「心のどこかで、勝ちきれなかった準決勝から切り替えられていない部分があった」と反省を口にした。一方、仙台育英に勝利したことは「自信になった」。千葉 亮輔監督も「夏からメンバーが総入れ替えになった中、よくここまできた。春に向けてまた頑張らせます。頑張ると思います」と前を向いた。
(取材=川浪康太郎)