試合レポート

【滋賀】準決勝 近江 vs 彦根総合

2023.10.01


4回表に逆転の2点適時二塁打を放った高橋直希(近江)

近江が逆転勝ちで近畿大会進出!集中打と堅守が光る

<秋季近畿地区高校野球滋賀県大会:近江8-4彦根総合>◇1日◇準決勝◇マイネットスタジアム皇子山

近江が逆転で彦根総合を下し、2年ぶりの近畿大会出場を決めた。

近江の先発は最速143キロ右腕の西山 恒誠投手(2年)。「西山君からどれだけ点を取れるかが課題だぞ」と宮崎裕也監督にハッパをかけられていた彦根総合は1回に2死二塁とすると、4番・後藤 修徳(2年)が高めに浮いた変化球を捉え、左越え適時二塁打を放って先制点を挙げる。

さらに続く5番・安達 秀介(2年)が右中間に適時二塁打を放ち、1点追加。好投手相手に幸先良く2点を奪った。

彦根総合先発の中島 輝投手(2年)はテンポの良い投球で3回まで1安打無失点。直球の球速は120キロ台後半から130キロ台前半ながら、ストライク先行の投球で守りのリズムを作っていく。

その中島に対して近江の多賀章仁監督は「ファーストストライクを狙っていけ」と指示。これが功を奏することになった。

4回、2番・岡本 一倖内野手(2年)が初球をたたいて右翼への二塁打で出塁すると、3番・森島 海良内野手(2年)が犠打を決めて1死三塁とする。すると、4番・大石 尚汰内野手(2年)が1ボールから左前適時打を放ち、まず1点を返した。

さらに連打で1死満塁とすると、7番・高橋 直希捕手(2年)の右越え2点適時二塁打で逆転に成功。続く8番・西山が右越え2点適時三塁打を放つと、9番・山中 悠斗内野手(1年)も中前適時打で続き、この回だけで一気に6点を奪った。

打者10人の猛攻で試合をひっくり返した近江。この回だけで7安打を放ったが、そのうち4本がファーストストライク。指揮官の指示を的確に遂行する結果となった。

初回に2失点した西山だが、「修正して球を低めに集めるようにしました」と2回以降は大きく曲がるスライダーを武器に立て直し、6回3失点と試合を作る。7回からはエースナンバーを背負う左腕の河越 大輝投手(2年)が登板し、3回1失点にまとめてリードを守り切った。

今年の近江は西山、河越、北川 凌佑投手(2年)と夏の甲子園を経験した投手が3人残る。その中で捕手が一つのポイントだったと多賀監督は見ていたが、秋の大会を通じて高橋が成長。打撃でも2安打3打点と勝利に大きく貢献した。

また、守備力の高さも近江の強みとなりそうだ。特に二塁手の岡本と遊撃手の山中は球際に強く、この試合でも好守を連発。河越の牽制悪送球による失策はあったが、守備から乱れる不安は少なそうだ。

夏の甲子園は5大会連続出場と滋賀の盟主の座を確固たるものにしている近江。新チームもその強さは健在だ。

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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