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センバツで日本中に勇気を与えた九州国際大付出身の右腕が戦力外、楽天と広島での選手生活にピリオドか

2023.10.14


三好 匠(九州国際大付)

10月5日、広島は6選手に来季の契約を結ばないことを発表した。いわゆる戦力外通告を受けた6選手のなかに、三好 匠内野手(九州国際大付出身)がいた。

2011年、ドラフト3位で楽天に入団した。九州国際大付(福岡)時代は主に投手だったが、野手としての将来性を買われ、入団と同時に内野手となった。

174センチと上背はなかったが、守備のセンスを評価され、二塁手、三塁手、遊撃手とユーティリティープレーヤーとして活躍。守備固めや、故障選手の代わりに起用されたりと、貴重なバイプレーヤーでもあった。2019年シーズン途中にトレードで広島に移籍。一時は三塁手のレギュラーとして活躍した時期があった。23年終了時点で、プロ通算378試合出場、70安打、6本塁打、打率.188が残った。

三好が甲子園の舞台を踏んだ2011年センバツは、3月11日に東日本大震災が発生したことで「がんばろう!!日本」の特別スローガンのもと、大会が開催された。九州国際大付のエースとして出場した三好は、髙城 俊人捕手(元DeNA)とのバッテリーで快進撃を見せ、見事に準優勝。三好は5試合すべて1人で投げ切った。打撃でも2本の本塁打を放つ活躍。学校初の準優勝の快挙に貢献し、福岡だけでなく、震災に沈む日本中を勇気づけた。プロ入りしてからも楽天の選手として、東北の人たちをプレーで励ましてきた。

高校時代、バッテリーを組んだ髙城は22年シーズンでユニホームを脱いで、DeNAのスタッフとして新たな人生を歩んでいる。戦力外通告を受けた三好は現役を引退し、球団に残る意向だという。ひとつの時代がまた、静かに幕を閉じたような気がする。

この記事の執筆者: 田中 裕毅

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