試合レポート

【関西六大学】上田大河(大商大)、1時間の雨中断にも動じないドラフト候補右腕の実力

2023.10.16


<関西六大学野球秋季リーグ:大阪商業大6-1大阪経済大>◇15日◇第7節2回戦◇マイネットスタジアム皇子山

負ければ4季連続優勝がなくなる大阪商業大が、逆転勝ちして大阪経済大との対戦成績を1勝1敗とした。

大阪商業大は今秋のドラフト候補で主将の最速154キロ右腕・上田 大河投手(4年=大阪商業大高)が先発。「今日が一番状態は良かったと思う」と富山陽一監督も信頼して送り出した。

しかし、2回、連打と犠打で1死二、三塁のピンチを招くと、7番・美濃 克尚外野手(3年=高松商)に左犠飛を打たれて先制点を許してしまう。さらに続く8番・豊田 凜外野手(4年=津名)の打席で2ボール1ストライクとなったところで雨が強くなり、試合は一時中断となった。

「体を冷やさないようにして、気持ちを切らさないようにして待っていました」と上田は再開の時を待つ。58分間の中断の末に試合が再開されると、3ボール1ストライクから147キロの直球で豊田を二塁ゴロに打ち取り、追加点を許さなかった。

上田に負けじと大阪経済大先発の林 翔大投手(3年=乙訓)も好投を見せ、4回まで3安打無失点と大阪商業大打線を封じる。

しかし、5回に1死一塁から3連続四死球で押し出しとなり、大阪商業大が同点に追いつく。一打勝ち越しの場面で4番・渡部 聖弥外野手(3年=広陵)は併殺コースの遊撃ゴロに倒れるが、遊撃手の坪山 雄大内野手(3年=関大北陽)がファンブル。二塁しかアウトにできず、勝ち越し点を奪った。

大阪商業大はさらに5番・福島 大輝外野手(3年=倉敷商)、途中出場の板谷 朋生内野手(2年=高知中央)の適時打で2点を追加。今季ここまで4勝無敗と好調だった林を攻略した。

大阪商業大は6回にも2番・大橋 優斗外野手(4年=岐阜第一)の適時三塁打などで2点を追加。3対8で敗れた前日(14日)とは対照的な試合運びを見せた。

「今年で一、二くらいのベストピッチングだったと思います」と振り返る上田。力のある直球で押し込み、チェンジアップで空振りを奪う場面も目立った。

上田は8.2回を投げて5安打無四球7奪三振で1失点。エース、主将としての意地を見せ、優勝に望みを繋いだ。

16日の3回戦で勝った方が優勝となる。この日に124球を投げた上田も翌日に向けて臨戦態勢。「関西選手権、神宮に行けるように自分が引っ張っていこうと思います」と頂上決戦に決意を固めている。

取材=馬場 遼

この記事の執筆者: 田中 裕毅

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.07.06

23年三重王者・いなべ総合が初戦で敗れる!9回に逆転満塁弾を許す

2024.07.06

MAX153キロ、高校通算39本塁打、偏差値70! 東京の超進学校に現れた“規格外の男”森井翔太郎の「気になる進路」

2024.07.06

高校生ドラフト期待度ランキング10位-1位 ドラフト上位有力“超高校級の逸材”の中から1位に輝いたのは…?【2024夏直前版】

2024.07.06

【7日登場の逸材たち】超進学校・桐朋の二刀流が登場!横浜隼人の149キロ右腕、名門・県立岐阜商の149キロ右腕などプロ注目選手が続々初戦を迎える

2024.07.06

謎の新鋭・エナジックが5回コールド勝ち発進!監督は沖縄界きっての名将が率いる

2024.07.05

白山高元監督の“下剋上球児”再現はあるのか!? センバツ1勝の宇治山田商、2年生集団で東海大会準優勝の菰野など各ブロックの見所を紹介【2024夏・三重大会展望】

2024.07.05

春連覇した加藤学園は悲観達成を狙う! 静岡、日大三島、藤枝明誠、プロ注右腕・小船を擁する知徳らが行く手を阻む!?【2024夏・静岡大会展望】

2024.07.05

静岡大会ではノーシード勢が初戦、常葉大菊川、聖隷クリストファーが開幕6日に登場【2024夏の甲子園】

2024.07.05

三重大会が6日開幕、昨夏代表のいなべ総合が初日に登場【2024夏の甲子園】

2024.07.05

大阪大会は京セラドーム大阪で6日に開幕、大阪桐蔭は14日、履正社は14日に初戦【2024夏の甲子園】

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.28

最下位、優勝、チーム崩壊……波乱万丈のプロ野球人生を送った阪神V戦士「野球指導者となって伝えたいこと」

2024.06.23

プロ注目の大阪桐蔭・徳丸が大学生相手に決勝アーチ!直近3週間5本塁打と量産態勢!2年ぶり夏甲子園へ強打者の勢い止まらず!

2024.06.23

大阪桐蔭が名門・日体大に1勝1分け! スター選手たちが快投・豪快弾・猛打賞! スーパー1年生もスタメン出場 【交流試合】