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あの”天才打者”に戦力外、常勝・仙台育英の基礎を作った男の復活はあるか?

2023.10.22


ソフトバンクの上林 誠知外野手(仙台育英出身)が、戦力外通告を受けたニュースにはショックを受けた。近年は故障が続き、確かに出場機会は減っていたが、必ずや復活する選手だと思っていたからだ。

ソフトバンクでは類い希なバットコントロールを生かして、安打を量産してきた。チャンスにもめっぽう強く、プロ初安打は満塁ホームランとなり、プロ初打点プロ初得点をマークするなど、ド派手なデビューを飾っている。オースルターにも選ばれ、人気もあった。MLBで活躍するエンゼルスの大谷 翔平投手(花巻東出身)からも本塁打をマークするなど、直球にも強い。

何より、低めの球をさばくのが上手い。リストの使い方は天性のもので、誰も真似ができないほどの技術を持っている。仙台育英(宮城)の3年春のセンバツ、創成館(長崎)との2回戦で、完全なワンバウンドを中前打にしてみせた。卓越したバットコントロールの良さに甲子園がどよめいたのを覚えている。あのイチロー氏がオリックス時代にワンバウンド打ちを披露したことがあったが、まだ高校生だった上林の存在は大きくクローズアップされた。

仙台育英では1年秋から4番に座り、2年夏、3年には春夏と甲子園の舞台を踏んだ。現在、常勝軍団となっている仙台育英の基礎を作った選手の1人でもある。
ソフトバンク時代、右手甲に死球を受け打撲と診断されてプレーを続け、痛みが引かず再検査の結果、骨折と分かったことがあった。その後もアキレス腱を断裂するアクシデントにも見舞われた。それでも今季は56試合に出場、クライマックスシリーズにも出場するなど、回復していたと思っていただけに、戦力外は衝撃だった。

1学年上の鈴木 誠也外野手(カブス)とは自主トレ仲間。刺激を受けていただけに、上林も期するものがあるだろう。「絶対にあいつを使わないといけない、と首脳陣に思わせる結果を残したい」。ソフトバンクでレギュラー獲りに必死となっているときに発した言葉が耳に残っている。まだまだ十分に活躍が期待できるだけに、新天地での活躍を楽しみにしている。

この記事の執筆者: 田中 裕毅

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