2年連続最下位・中日の「大当たりドラフト」とは? 投打の軸を獲得した2015年を振り返る
小笠原 慎之介
毎年行われるドラフト会議で、指名した全員が1軍で華々しい活躍をすることはない。複数人の主力が出てくることも、そう多くはない。レギュラーや先発ローテーション投手、勝ちパターンといった主力が、同一のドラフト会議から生まれたら、それは”大当たりドラフト”と言っても過言ではない。
近年、各球団に大当たりドラフトはあったのだろうか。高校生と大学生社会人の分離ドラフトが終わった2008年以降のドラフトで振り返ってみたい。
中日は2015年のドラフト会議から、多くの主力選手が誕生した。ドラフト1位の小笠原 慎之介投手(東海大相模出身)は、ルーキーイヤーから15試合(12先発)に登板し2勝をマーク。2018年には高卒3年目で開幕投手を任された。以降は、やや伸び悩んだ感があったものの、2021年からは3年連続で規定投球回に到達している。投手タイトルの獲得こそないものの、3年連続で先発ローテーションを守り、チームを支える存在となった。
ドラフト2位の佐藤 優投手(古川学園出身)は、3年目の2018年に42試合の登板で10ホールドをマークするなど開花。オフには日米野球の日本代表にも選ばれた。しかし以降は目立った成績を残すことができず、2022年に現役を引退した。
ドラフト3位の木下 拓哉捕手(高知高出身)は1年目に9試合の出場。2年目には51試合に出場するなど出番を増やしていく。すぐにレギュラーを奪うことはできなかったが、2020年からはメインの捕手となった。チーム事情もあり完全に固定されているわけではないものの、正捕手といっても過言ではない起用が続いている。
中日OBの山本昌氏の背負っていた背番号「34」を与えられたドラフト4位の福 敬登投手(神戸西出身)は、左の中継ぎとして開花した。左肩を痛めたことで一時、育成契約にもなったが、2019年からは1軍に定着し、2020年には自身初のタイトルである最優秀中継ぎ投手に輝いた。2022年には黄色靱帯骨化症を患ったものの2023年に復帰した。通算260試合の登板で、82ホールドをマークしている。
ドラフト5位の阿部 寿樹内野手(一関一出身)は、4年目の2019年に二塁手のレギュラーを獲得。129試合に出場し規定打席に到達した。翌2020年には自身初の2ケタ本塁打(13本塁打)をマークし、そのまま定位置をつかんだが、2022年シーズンオフに交換トレードで楽天へと移籍した。
育成ドラフトからも、3位の三ツ間 卓也投手(健大高崎出身)と、6位の渡辺 勝外野手(東海大相模出身)の2人が支配下登録され、1軍での出場機会も勝ち取っている。
中日は2015年のドラフトで先発ローテーション投手、正捕手、左の中継ぎ、移籍してしまったが二塁手のレギュラーと4人の主力を獲得した。
<2015年ドラフトにおける中日の指名選手一覧>
1位:小笠原 慎之介(東海大相模)
2位:佐藤 優(古川学園ー東北福祉大)
3位:木下 拓哉(高知高ー法政大ートヨタ自動車)
4位:福 敬登(神戸西ーJR九州)
5位:阿部 寿樹(一関一ー明治大ーホンダ)
6位:石岡 諒太(神戸国際大附ーJR東日本)
育1位:中川 誠也(伊勢工ー愛知大)
育2位:吉田 嵩(長崎海星ー四国IL徳島)
育3位:三ツ間 卓也(健大高崎ー高千穂大ー武蔵ヒートベアーズ)
育4位:西浜 幹紘(南伊勢ー星城大)
育5位:呉屋 開斗(八戸学院光星)
育6位:渡辺 勝(東海大相模ー東海大)