【東京】早実4強進出! 日大鶴ヶ丘20イニング無失点エースを攻略〈秋季地区大会〉
早稲田実・川上真
<秋季東京都高校野球大会:早稲田実業5ー4日大鶴ヶ丘>◇29日◇準々決勝◇スリーボンドスタジアム八王子
早稲田実業と日大鶴ヶ丘は、春、夏、秋と今年の公式戦全てで対戦したことになる。春は早稲田実業が勝ち、夏は日大鶴ヶ丘が勝っている。秋になり新チームになったとはいえ、春、夏のメンバーで残っている選手も残り、互いの手の内は知り尽くしている。ただ、早稲田実業は体調不良の選手が多く、やりくりに苦労している。この試合先発の川上 真投手(1年)も公式戦初登板だった。それでも伸びのある球で、しっかり試合を作った。
日大鶴ヶ丘の先発・小林 駿斗投手(1年)は今大会20イニング無失点。初回も無失点に抑えたものの、2回に早稲田実業は4番・唐箕 大和外野手(2年)、7番・喜澤 駿太内野手(1年)、8番・川上による安打3本で1点を先制し、小林は今大会初失点を喫する。5回には早稲田実業が1番・宇野 真仁朗内野手(2年)の二塁打などで1点を追加する。それでも、日大鶴ヶ丘の小林の投球は安定していて、試合を経験するにつれ、マウンド上での風格すら感じさせるようになってきた。
打撃もいい小林は、5回に自らの二塁打でチャンスを作り、2番・石井 大輝内野手(2年)の四球に続き、3番打者で春と夏の対戦も経験している小針 大輝内野手(2年)が二塁打を放って2人が生還。小針も4番・西川 大智内野手(2年)の左前安打で生還して逆転した。ここで早稲田実業は川上に代えて、3回戦の岩倉戦で完投した中村 心大投手(1年)を投入する。「川上を引っ張り過ぎました。ただ中村は先週の力投があったので」と早稲田実業の和泉実監督は言う。3回戦の岩倉戦で中村は153球を投げている。1週間、間が空いたとはいえ、疲労もある。それでも6回、7回はしっかり抑えた。
早稲田実業は7回、「調子がよく、いい感じで打っています」という1番の宇野が前の打席に続く二塁打を放ち、同点に追いつく。
それでも日大鶴ヶ丘は8回2死一、二塁から7番・小原 惇矢捕手(2年)が右前適時打を打って1点を勝ち越す。
しかし今年の早稲田実業は、粘り強さが出てきた。3回戦の岩倉戦でも9回に逆転サヨナラ勝ちをしている。この試合でも9回表、9番・小薗井 陸也捕手(2年)の二塁打、1番・宇野の四球、3番・高崎 亘弘内野手(2年)の内野安打で2死ながら満塁として、途中出場の山中 晴翔内野手(1年)が打席へ。山中は今大会の出場機会は少ないものの、夏は1年生ながら背番号3をつけて試合に出ている。山中は中前安打を放ち2人が生還し、早稲田実業が勝ち越した。
ただこの回、投手の中村の打順で代打を送ったため、9回裏のマウンドに山﨑 啓生投手(2年)を送る。和泉監督が「ぶっつけ本番です」と語る山﨑の起用だったが、四死球の走者2人を出したものの9回裏の日大鶴ヶ丘の攻撃を無失点に抑え、早稲田実業が準決勝進出を決めた。
日大鶴ヶ丘は、もともと夏に向けてチーム作りをしているだけに、秋の8強は十分に収穫であったはずだ。萩生田博美監督も「よくここまで成長しました」と語る。今大会では小林など、新たな戦力を発掘できた。これからチーム内での競争が始まり、春や夏には何人かは入れ替わっているに違いない。
今の時期、インフルエンザなどが流行し、苦しんでいるチームが多い。早稲田実業も体調不良者が出て苦しんでいるが、準決勝は11月4日。相手は関東一だが、まずは選手がどれだけ復帰し、本来の力を発揮できるかが重要だ。早稲田実業は苦しいやり繰りが続くが、激戦を勝ち抜く中でたくましさが出てきたことはプラスの材料だ。
羽田交通(株) 江刺家邦夫 👉 ✉️ kunio.esashika@nihon-kotsu.co.jp
2024-01-24 at 9:56 AM
Again, show the spirits (^^)v