21世紀枠最終候補に選出・鶴丸「おごることなく、あくまでも夏を目指す」
鶴丸
来春の第96回選抜高校野球大会(センバツ)の21世紀枠候補の地区推薦9校が8日、発表され、九州地区からは鹿児島の鶴丸が選ばれた。
鶴丸は第153回九州地区高校野球大会鹿児島県予選の2回戦で鹿児島商、3回戦で鹿児島実と強豪校に競り勝ち、19年半ぶりとなるベスト4に進出。準決勝ではれいめいに1点差で敗れたが、9回に同点に追いつくなど粘りを見せた。
1894年創立の県立校で、県下公立校の中ではトップの進学実績があり、スポーツ系、文科系と部活動も盛んで「文武一道」をモットーに掲げる。野球部の創部は1899年で、旧制・鹿児島一中時代の1925年に、鹿児島県から初の甲子園出場校としてセンバツに出場している。
「野球の名付け親」とされる中馬庚氏が、かつて指導したともいわれ、南海などで活躍し、ダイエー(ともに現・ソフトバンク)、阪神でスカウトを務めた池之上格はOB。高校球児OBが再び甲子園を目指す「マスターズ甲子園」を創設した長ケ原誠氏や、今年から始まった「薩摩おいどんカップ」の実行委員長である小薗健一氏ら、中学・高校の指導者も県内に多数いて、野球界の普及、発展に貢献する人材を輩出している。
近年、強豪私学などに阻まれて、甲子園出場に恵まれない中で、秋の鹿児島大会で4強入りした。サッカー、ラグビー、陸上部と共用の狭いグラウンドで、平日平均約1時間余りの練習環境の中で、工夫を凝らし、学業との両立を目指す姿勢などが評価された。
8日は同校で鹿児島県高野連と主催の毎日新聞社から伝達式があり、表彰状と盾が寺内 幸大主将(2年)に手渡された。「選んでいただいたことに感謝している。九州の推薦校に選ばれた責任を胸に、野球だけでなく日常生活も自覚をもって取り組みたい」と感想を話した。福田健吾監督は「決して野球強豪校ではないが、ここ一番での集中力、集中打を発揮して秋は4強入りした。おごることなく、あくまでも夏を目指す過程の中で、やるべきことをコツコツと積み重ねていきたい」と話した。
今回選ばれた9校の中から、来年1月26日の選考会で2校が21世紀枠としてセンバツに出場する。
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