「ミスを怒らず、みんなで助け合う」全国大会が甲子園で開幕 小学生が全力プレーで大会を盛り上げる
ホームランを打った打瀬ベイバスターズ(千葉)の森本大翔
9日、甲子園で「MIZUNO BASEBALL DREAM CUP Jr. Tournament2023 全国大会FINALラウンド」が開幕した。この大会はスポーツメーカー・ミズノが主催する少年軟式野球の大会だ。9日は準々決勝4試合が行われ、ベスト4が決まった。
2021年から始まり、今年は3回目を迎えた。通常のトーナメント方式の大会とはコンセプトやいくつかの約束事が掲げられている。
【コンセプト】
「みんなで褒め合おう!みんな笑顔で楽しもう!『ミスを怒らず、みんなで助け合う』野球大会」
【約束事】
・元気いっぱいプレーしよう!
・気軽に参加しよう!体操服・運動靴でもOK
・みんなが主役!1人でも多くの選手が試合に出よう
・みんなでこの大会を盛り上げよう
・失敗した時こそ、励まし合おう
野球を楽しむために考えられた今大会。実現のため、リエントリー制度を採用している。1人でも試合に出場できるチャンスを作った。さらに、道具の貸し出しやユニフォームが統一されていなくても参加は可能。出来る限り多くのチームに、野球の魅力を感じてもらおうという試みだ。
こうした大会コンセプトに惹かれ、年々全国からの応募が増えている。2021年は656チームだったが、今回は917チームから申し込みがあった。ユニフォームが揃わないなど、野球値チームとして普段活動していないところからも「応募が増えています」と大会関係者は話す。大会に込めた思いが徐々に広がっている。
9日の準々決勝に参加チームからも、思いを汲んだような様々な声が寄せられた。
魚住フェニックス(兵庫)の森琥太郎くんは「ミスへの指摘をしないようになって、チームの雰囲気が良くなり、さらに野球が楽しくなった」と野球の楽しさを再確認。岡山庭瀬シャークスの伴隆希くんも、「声掛けがいつもより多くなったと思うし、もっと野球が好きになりました」と野球の魅力に引き込まれた。
選手だけではなく、監督からも大会に対して様々な声が聞こえた。
BC Glanz(埼玉)の金子敦志監督は「チームワークが特に成長したと思います」と選手たちの成長を語れば、椿ジャビッツの宗岡幹雄監督は「子どもたちの今後の人生で考えても、いいスタートが切れる1日だった」と語る。八代ジュニアスターズ・野村利昭監督からも「子どもには野球を少しでも続けて欲しいと思うので、そのためにも野球を好きになってもらいたい。ですのでこういった大事な大会だと思います」と選手たちの今後を考えても、いい機会だと感じている。
もちろん聖地・甲子園でプレーできていることに喜びを感じている選手たちもいる。打瀬ベイバスターズ(千葉)の森本大翔は「甲子園で2本もホームランが打てて嬉しい」と自身の活躍に満足している選手もいれば、金岡ベアーズ(大阪)・瀬尾龍希大は「いつもより盛り上がっていたので、楽しくプレーできました」と話す。約束事の1つである「みんなでこの大会を盛り上げよう」を体現するように、スタンドの保護者も一体となって盛り上がっていることに、気持ちを高ぶらせていた。
だが何よりも、どのチームも最後まで諦めずに戦い抜いた姿が光った。BC Glanz(埼玉)は普段から協力し合うことを大事にしているというが、葛西勝也は「元気を出して雰囲気よく、チームが1つになって戦えた」と普段以上に良い雰囲気で戦えたようだ。
10日は準決勝、決勝、さらにエキシビションマッチが控える。準決勝第1試合は、延長タイブレークを制した魚住フェニックスと、12得点をマークした打瀬ベイバスターズ。第2試合は11得点を奪った八代ジュニアスターズと、0封勝利を飾った水戸市野球スポーツ少年団が対戦する。
【9日の試合結果】
魚住フェニックス 5-4 BC Glanz
打瀬ベイバスターズ 12-6 椿ジャビッツ
八代ジュニアスターズ 11-4 金岡ベアーズ
水戸市野球スポーツ少年団 9-0 岡山庭瀬シャークス
【10日の試合】
魚住フェニックス vs 打瀬ベイバスターズ
八代ジュニアスターズ vs 水戸市野球スポーツ少年団