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【高校野球ベストシーン’23・長崎編】ノーシード公立校・長崎北の快進撃! 創成館の好投手・福盛を苦しめる

2023.12.17


2023年もあとわずか。ことしも高校球界ではさまざまな印象的な出来事があった。各都道府県ごとにベストシーンを思い出してみよう。

【夏選手権長崎大会準々決勝・創成館vs.長崎北】

長崎県の夏の大会は、創成館が5年ぶり3度目の優勝を飾った。5試合でわずか3失点の守りを武器に強さを誇った。そのなかで、唯一延長タイブレークの末に勝利したのが準々決勝。相手は、ノーシードで唯一ベスト8に入った長崎北だった。

長崎北は初戦で圧勝すると、2回戦で鎮西学院を相手に、延長10回タイブレークの末に4対3でサヨナラ勝ちした。10回表に2点を奪われたが、その裏に3点を奪っての逆転サヨナラ勝ち。その勝利で勢いに乗ると、3回戦で大村に勝利して8強に駒を進めていた。

左腕エースの木下 諒投手(3年)は、防御率0.00でこの試合を迎えていた。初戦で先発2回を無失点、2回戦は先発10回3失点も自責は0。3回戦は9回3安打完封。計21回で自責点ゼロの快投を続けていた。この左腕が、創成館との準々決勝でも快投を演じた。

130キロ後半の直球と、カットボールを武器に、凡打のヤマを築く。元楽天、メジャーなどで活躍した福盛 和男投手の息子、プロ注目の福盛 大和投手(3年)と、互角の投手戦を繰り広げる。福盛は6回で降板したが、木下は9回まで投げ抜いて、0対0で延長戦へと突入する。

長崎北は10回表に得点することができず、裏の守りに入る。1死満塁から、木下は遊撃へのゴロに打ち取ったが、創成館がエンドランの作戦を敢行し三塁走者がスタートを切っていたため、本塁へ投げることができず、サヨナラ負け。相手の高度な作戦の前に敗れてしまったが、木下は「防御率0.00」のまま最後の夏を終えた。木下は試合には負けたが、福盛には投げ勝ったといえるかもしれない。

創成館はその後、夏甲子園で1勝を挙げたが、秋からの新チームは初戦で瓊浦に敗れている。この試合のスタメン中、6人が2年生だった長崎北も、秋は初戦で敗れた。ともに悔しさをバネにこの冬を迎えることになる。来年も対戦の日が訪れるならば、さらなる熱戦を期待したい。

<全国高校野球選手権長崎大会:創成館1-0長崎北(延長10回タイブレーク)>◇2023年7月20日◇準々決勝◇長崎県営

長崎北スタメン
(左)大塚 秋(2年)
(中)副島 瑞稀(2年)
(投)木下 諒(3年)
(右)本多 祐翔(3年)
(一)溝田 一稀(2年)
(遊)村中 奏介(2年)
(二)西村 龍之介(2年)
(捕)森本 龍太郎(3年)
(三)下釜 大輝(2年)

創成館スタメン
(遊)川崎 統馬(3年)
(右)東 壱星(3年)
(三)松崎 誠人(3年)
(中)永本 翔規(3年)
(左)伊藤 悠稀(3年)
(一)向段 泰一郎(2年)
(捕)山下 真ノ介(3年)
(二)下川 優(3年)
(投)福盛 大和(3年)

この記事の執筆者: 浦田 由紀夫

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