【高校野球ベストシーン’23・島根編】公立校・矢上、秋の快進撃! 元プロ監督と描く初聖地の夢
2024年が幕を開けた。昨年も、高校球界ではさまざまな印象的な出来事があった。都道府県ごとにベストシーンを思い出してみよう。
島根県の公立校、矢上が秋季大会で準優勝を遂げた。準決勝までは接戦を制して勝ち進み、決勝では延長11回タイブレークの末に0対3で惜敗。優勝までほんのあと1歩の大健闘で、勝負強さを随所に見せた。
1回戦は安来に1対0。2回戦は明誠に6対1で勝利すると、3回戦の出雲農林には3対2と競り勝ち、準々決勝の飯南戦では0対3の中盤から逆転しての6対3で勝利。準決勝の大社戦では、0対2で迎えた9回表に一挙3点を奪う逆転劇を見せた。まさに粘り強い野球を披露して決勝の舞台に進んだ。
2019年秋以来の決勝進出だった。このとき、決勝で平田を破って初優勝。初めて県の頂点に立った。初戦敗退が多かった公立校をここまで引き上げたのは、2017年に就任した、元プロ選手の山本 翔監督。東筑(福岡)出身の捕手で、2001年に広島にドラフト5位で入団。1軍の経験はなく、2010年に引退した後、広島経済大の監督としてリーグ優勝も経験。その後、「広島安佐ボーイズ」の中学の部の監督も歴任し、矢上の監督に就任していた。
近年は県内で4強、8強などに勝ち進むことも多くなった。23年夏こそ2回戦敗退に終わったが、秋からの新チームでは準優勝を勝ち取り、中国大会にも出場した。初戦で広島新庄(広島)に7回コールドの1対13で敗れたが、4回までは1対0とリードする接戦を演じている。皆吉 赳翔投手(2年)を中心とした粘り強い野球。山本監督の指導の成果は、24年に花開くのか。
矢上・秋季中国大会初戦スタメン
(捕)花田 峻坪(1年)
(遊)岩野 拓空(1年)
(投)皆吉 赳翔(2年)
(三)原 道夢(1年)
(一)三ツ塚 海翔(2年)
(右)西川 泰亮(2年)
(左)柳井 良亮(2年)
(中)楫 響(1年)
(二)上田 侑士(1年)