野球選手が風邪をひきやすいワケ【セルフコンディションニングお役立ち情報】
ハードな練習の後は十分な栄養・休養をとることが大切
野球選手は日頃からハードな練習やトレーニングなどを行っていることから、「強靱な肉体を持つ」「丈夫な体」といった健康的なイメージをもたれがちです。ところが実際には体力レベル以上に体を酷使したり、疲労がたまった状態でさらに運動を続けたりするため、体の免疫機能が低下して風邪などの感染症にかかりやすいともいわれています。加えて野球はチームスポーツであるため、チームメイトをはじめとする他者との接触機会が多いことも感染症のリスク要因となります。
特にオフシーズンは体を鍛えて大きく、強くしたいということで筋肉に負担のかかるウエイトトレーニングなどを行う機会も増えると思います。こうしたトレーニングはパワーアップに欠かせないものですが、トレーニング後の体は筋線維が傷んでいると同時に、激しい運動によってウイルスなどに対する免疫機能も低下しているといわれています。筋線維の修復や免疫機能を回復させるためには十分な栄養と休養(睡眠)が不可欠ですが、これらが不足した状態では、パワーアップどころか結果的にはコンディションを低下させることにつながります。
また寒い時期は空気が乾燥し、感染症を引き起こすウイルスが活発に活動しやすい時期とも重なってしまいます。たとえウイルスなどの病原体が体内に侵入したとしても、体の免疫機能が正常であれば、感染・発症を防ぐことが可能ですが、免疫機能の低下した状態では体内に侵入した病原体によってインフルエンザや風邪などの感染症にかかりやすくなってしまいます。さらに長期的に体力回復のバランスが崩れた状態で過ごしていると、やがてはオーバートレーニング症候群を発症し、練習そのものを休まざるを得ない状況になってしまいます。
こうしたことを理解し、ハードな練習やトレーニングを行った後は十分な栄養・休養をとるように心がけることや、体の免疫機能を下げないように生活習慣を見直すことが、コンディションを崩さないためのポイントであることを覚えておきましょう。
文:西村 典子
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