「審判をするために仕事を選んだ」アマ球界を支える審判たちの熱い野球愛! 中学・高校野球合同講習会開催
中学野球と高校野球の審判が合同で参加する、第21回少年野球合同審判講習会が3日と4日に兵庫・西宮市で行われた。
日本少年野球連盟(ボーイズ)、日本リトルシニア中学硬式野球協会関西連盟(シニア)、全日本少年硬式野球連盟(ヤング)の中学硬式野球3団体が合同で主催し、日本高校野球連盟(日本高野連)が春夏の甲子園大会でジャッジを委嘱している高校野球の審判員が講師役を務めた。
今回が21回目で1月下旬から2月上旬に開かれるのが恒例ではあるが、コロナ禍もあって2019年以来5年ぶりの開催となった。
中学3団体からは約30人が参加。講師の高校野球の審判員と基本動作の確認、クルー間の連携、規則関連の動画研修などの座学、実戦形式での判定など、様々な講習と意見交換を行った。
「小さい頃に、曾祖父が町の少年野球の審判をしていて、かっこいいな思った」と鳴門高校卒業後に審判を始めた古田 翔大さん(26=会社員)は、ヤングリーグを代表して参加した。中学生の審判だけでなく、徳島県高野連の審判や、四国地区大学野球連盟の審判も兼務し、今年からは社会人野球の四国地区にも登録する。
「(休日に)審判ができるように、今の仕事に就きました」と仕事が休みのたびに審判としてグラウンドに通い、昨シーズンは練習試合を含めて約90試合でジャッジした。「高校野球は2年半ほどですが、それ以外にグラウンドに立てるのは審判。そこに喜びがある。審判ができることを励みに、仕事も頑張れる」とやりがいを感じている。
春夏の甲子園では、各都道府県の持ち回りで、派遣審判員が大会中盤まで担当するのが恒例になっている。古田さんは高校野球でも審判を務めていることもあり、夢はもちろん甲子園。「アマチュア野球の最高峰は甲子園だと思っているので、目標に頑張りたい」とスキルアップして、甲子園を目指したい思いを話した。
少子化と野球人口減少が進んでいるが、アマチュア野球の審判員も、高齢化や人手不足が課題になっている。講習や意見交換を通じて研鑽し、技術などを若い世代に伝承していく機会としての役割も担っている。
野球は、グラウンドに対戦する2チームと、ジャッジする審判員がいて、ゲームができるスポーツ。野球をプレーするだけでなく、審判としてゲームに携わる人を育てていくことも、大事になってくる。