試合レポート

【春季鹿児島大会】徳之島「スケールの大きい野球」ができた!

2024.03.21


徳之島・嶺本 倫太郎

春季鹿児島大会 トーナメント表はこちら

<第154回九州高校野球大会鹿児島県予選:徳之島18-0曽於(5回コールド)>◇20日◇1回戦◇鴨池市民

徳之島は初回、無死一、二塁から3番・嶋田 翔仁(3年)の中越え三塁打で2点を先制。4番・上原 龍樹(3年)が右越え二塁打、5番・嶺本 倫太郎(2年)が右前適時打と続き、中軸の3連続適時打で勢いに乗った。

6点目を重盗で挙げるなど足を使って効果的に揺さぶり、相手のエラーも絡み、初回は打者14人7安打で9点を先取して主導権を握った。

2回は2点、3回は3点と攻撃の手を緩めず。

4回のみ無得点だったが、5回は3本の長打を集中するなど再び打線がつながり、打者10人で4点をダメ押しした。

エース嶺本は5回まで曽於打線を内野安打1本に抑え、三塁を踏ませなかった。

この春から低反発バットが導入された。攻撃が持ち味の徳之島がどう変化するか注目したが、17安打18得点で圧勝。勝 亮翔主将(3年)は「スケールの大きい野球ができた」と新バットにうまく対応できた手応えを感じていた。

初回先頭打者の主将がチームに火をつけた。「初球から積極的に行く」と右前に鋭く弾き返し、2番・幸 大翔(3年)の初球で果敢に二盗を決めた。昨秋はケガで出場機会の少なかった3番・嶋田の中越え三塁打で2点を先制。初回の9得点で主導権を握り、攻撃の手を最後まで緩めず、攻守で圧倒した。

昨年10月頃から新バットで練習を始めたが「打球があまり飛ばなくなったので自信を無くしかけた時期もあった」(地頭所眞人監督)。従来の金属バットよりも細身で、芯の部分が小さくなった分、力を正確にバットに伝える技術が要求される。この冬場は従来の体作りや振り込みに加えて、技術的な部分の試行錯誤も続いた。

打ち上げたら打球は伸びない。「低い打球で右中間や左中間を抜く」(地頭所監督)イメージで打つ意識を心掛けた。打球が伸びにくくなった分、守備位置の感覚も従来と変わってくる分、その対応も必要だった。選手によっては金属ではなく木製バットを使用することも。「芯でとらえたら新金属バットよりも飛距離が出る」からと勝主将は木製バットを使っている。

大会前の練習試合もほとんどできなかったが「バットが変わったから野球が小さくなるのではなく、大きな野球をする」(勝主将)意気込みで大会に臨んだ。その意気込みを大会初日の最初の試合で存分に発揮できた。「神村学園が出ていない大会。優勝して夏につなげたい」と意気込みを語っていた。

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この記事の執筆者: 政 純一郎

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