【春季四国大会逸材紹介・徳島編】阿南光にエース吉岡 暖を支える「もう1人のドラフト候補」 徳島商は春季大会チーム最多打点をあげた「恐怖の6番打者」
阿南光・福田 修盛外野手(右)と徳島商・岡本 歩樹内野手(左)
4月27日(土)四国4県から全8校が集い、愛媛県松山市の坊っちゃんスタジアムで開幕する「令和6年度(第77回)春季四国地区高等学校野球大会」。ベスト8躍進の阿南光(徳島1位)や広陵(広島)に食い下がった高知(高知2位)といったセンバツ組の他にも各校に好選手が数多くいる注目の大会となりそうだ。
そこで「高校野球ドットコム」では参加8校ぞれぞれの注目選手を1名紹介しつつ、各校の最新情報も採り入れた特集を組むことに。今回はセンバツベスト8の栄誉を手に2年連続4度目の春四国舞台に登場する阿南光と、春季徳島県大会で2年ぶり21度目の優勝を遂げ、2年連続29度目の四国大会へと駒を進めた徳島商を紹介する。
徳島・阿南光 吉岡 暖を援護する「もう1人のドラフト候補」
福田 修盛(3年・中堅手・左投左打・180センチ86キロ・阿南市立阿南第二中出身)
今春のセンバツでNPBスカウトの評価を大きく上げたエース右腕・吉岡 暖投手(3年)。全3試合に登板し、26回359球で防御率は2.08。2回戦・熊本国府戦で14奪三振無四球完封含む計30奪三振を奪うなど、圧巻の投球で阿南光を春夏通じ初のベスト8に押し上げた。
侍ジャパンU‐18代表候補合宿参加を経験し、地元アグリあなんスタジアムで開催された徳島商とのチャレンジマッチでも116球6安打5奪三振2失点(自責点1)完投勝利と、試合をまとめる能力は流石の域である。夏へ向けて本格的なリスタートとなる春季四国大会では現在146キロの最速更新にも期待したい。
そんな吉岡に次ぐドラフト候補は「3番・中堅手」を張る福田 修盛外野手(3年)である。左投左打らしいコンタクトの巧さと昨年までに高校通算17本塁打を積み上げたインパクト力の強さに加え、高校入学後タイムを約1秒縮めた50メートル走6秒0の俊足を利した広い守備範囲が福田本来の魅力だ。
センバツでは14打数3安打2打点と苦しんだものの、一直線に右翼手の頭を越えた熊本国府戦の先制三塁打や、二塁手のグラブを強烈に弾いた星稜戦最終回の安打には実力の一端を感じさせている。
センバツ前のインタビューでは「上を見据えるうえでは早く木製バットになれた方がいいと思っているし、センバツ後は試合でも木製バット使用を考えたい」と語っていた福田。練習ではすでに木製バットを使い続けているスラッガーがどのバットを握って左打席に立つのか。さらに状況次第では最速135キロをマークするサウスポーとしてのマウンドさばきにもぜひ注目してほしい。
徳島・徳島商 チームを勝利に導く「恐怖の6番打者」
岡本 歩樹(2年・一塁手・右投右打・175センチ75キロ・高松庵治ヤングストーンズ出身)
中学時代は徳島県にある上板町立上板中に通いながら、香川県の高松庵治ヤングストーンズでプレー。3年時には4番として四国地区中学硬式野球チームが集う四国選手権大会を制し、ジャイアンツカップにも出場した岡本 歩樹内野手(2年)。ヤングリーグ選手権大会で頂点を極めた右スラッガーは、この春21打数10安打4打点で打率.474のハイアベレージをマークした4番兼主将・吉田 大馳内野手(3年)をサポートする「恐怖の6番打者」としてチームに数多くの勝利をもたらした。
春季徳島大会初戦の城東戦では、1点ビハインドの3回裏に満塁から「ストレートを狙って」起死回生の走者一掃二塁打を放つと、準々決勝から決勝戦までは3試合連続で打点をマーク。19打数7安打.368の打率もさることながら、チームトップの8打点は立派な数字。準決勝・小松島戦の終盤には中堅手を務めるなど、守備面でも俊敏さを併せ持つ。
チームとしては阿南光とのチャレンジマッチを含めた県大会6試合で、当初懸念されていた投手陣が防御率1.41と踏ん張った。しかし、チーム打率.278と打者による好不調がはっきり分かれた徳島商にとって、2つの中軸を作れる岡本の存在は極めて貴重だ。
春季四国大会当初登録に入った廣常 虎輝内野手(1年・徳島藍住リトルシニア出身)、矢野 陽都外野手(1年・徳島藍住リトルシニア出身)の両1年生による推進力も加わり、狙うは1997年以来遠ざかる春の四国王者だ。