試合レポート

プロ注目の200cm右腕・菊地ハルン(千葉学芸)がセンバツ出場校との交流戦でまさかの7失点…夏までの課題は?

2024.05.12


菊地ハルン投手(千葉学芸)

<交流戦:学法石川8vs0千葉学芸>◇11日◇千葉学芸高グラウンド

プロ注目の200センチ右腕・菊地 ハルン投手(3年)。高い将来性から12球団のスカウトが挨拶に訪れたという。県大会2回戦の千葉敬愛戦で2失点完投勝利を収め、公式戦でも結果を残していた。県大会後の練習試合では好左腕・中島 翔人投手(3年)擁する相洋と対戦し、7回無失点の好投。視察していたスカウトからも高評価を受けていた。

しかし11日に行われたセンバツ出場した学法石川との交流戦では悔しい投球に終わった。立ち上がりは最速142キロの速球、130キロ近いフォークを投げ分け、無失点に抑える上々の立ち上がりを見せていた。しかし2回裏、味方の守備ミスからピンチを招き、6番佐藤 辿柊外野手(3年)に適時二塁打を打たれ1点を失う。4回裏には5安打を打たれ計4失点。6回裏には無死一、二塁にしたところで降板。2番手左腕・中村 旦宗投手(2年)が打たれ、計7失点を喫した。5回92球被安打8奪三振3と悔しい結果に終わった。

菊地は「高めに浮いていたボールを修正出来なくて悔しいです」と振り返った。立ち上がり自体は角度のあるストレートを思い通りに投げられていて、フォークも良く落ちていた。打たれた4回も決して悪いボールではなかった。間合いをじっくりと長くして、自分のペースで投げる工夫が見え、速球、カーブ、スライダー、フォークも内外角、低め、高めに投げたりと、できることはやっていた。ただ打ち取ったように見えても、外野手の間に落ちたり不運な部分があった。学法石川の打者はファールで粘ったり、コースについても、しっかりと打ち返すことができていた。

高倉監督は「こんなに打たれる試合は久しぶりでした。センバツ出場した学法石川さんは本当にレベルが高いチーム。こういう相手にどう抑えるのか。勉強になった試合だったと思います。残り1ヶ月、調整して制球、変化球の精度をレベルアップさせてほしい」と語った。

菊地は「今日は荒れてしまいましたが、最近の練習試合では130キロ後半の速球をしっかりとコントロールできるようになっていました。今のコントロールのまま、常時140キロ台の直球で勝負していきたいです」と今後の課題を語った。

千葉県内の学校ならばそれなりに抑えられていたと思う。全国レベルの対応力を持つ打線と対戦して、より速球、変化球のベースアップが課題になったのではないか。走者がいない時の直球は130キロ後半だが、走者がいると130キロ中盤。6回には130キロ前半まで落ちていた。この球速だといくら角度があるとはいえ、ミートはできるだろう。
平均球速が140キロ以上になれば、世界は変わってくると思う。夏までに変化した姿を期待したい。

また打線も学法石川の投手陣に抑え込まれ完封負け。練習試合では相洋創価、二松学舎大付といった県外の強豪校との練習試合でも完勝しているほどだったが、投打ともに良いところがなかった。高倉監督は劣勢になった時ほど力を出せるかがこのチームの課題だと語る。
「練習試合で勝てていた時は、必ず先制をして、そのまま逃げ切っていました。自分たちのペースで試合ができるといけるんです。でも公式戦では上手くいかない時が多いですから、ここで力を発揮できるかですね。一矢報いる事もできなかったのも残念でした」

学法石川佐々木 順一朗監督から劣勢に強くなるにはゲームしかないとアドバイスをもらった。
「ケースノックでも状況を想定してやりますが、やはり劣勢で強くなるには練習試合、公式戦でしかないんです。夏へ向けてその強さを求めていきたいです」

課題が見えた菊地、そして打線は夏までどんなレベルアップを見せるのか注目だ。

<関連記事>
学法石川の好捕手・大栄利哉が交流戦で復帰! 実力は攻守ともに世代トップクラス!身長200センチ右腕を攻略し、完封勝利!
【トーナメント表】春季千葉県大会 結果一覧
【トーナメント表】春季福島県大会 組み合わせ

この記事の執筆者: 河嶋 宗一

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.07.05

白山高元監督の“下剋上球児”再現はあるのか!? センバツ1勝の宇治山田商、2年生集団で東海大会準優勝の菰野など各ブロックの見所を紹介【2024夏・三重大会展望】

2024.07.05

6日兵庫大会が開幕!春夏8度甲子園出場の神港学園が登場【2024夏の甲子園】

2024.07.05

愛知大会は6日に1、2回戦!昨秋4強、21世紀枠推薦校の小牧南がリベンジの夏へ【2024夏の甲子園】

2024.07.05

大阪大会は京セラドーム大阪で6日に開幕、大阪桐蔭は14日、履正社は14日に初戦【2024夏の甲子園】

2024.07.04

「学校と地域に支えられて戦う」県内有数の進学校・磐田南(静岡)、“潔く”戦って最高の夏に【野球部訪問】

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.30

突然の病で右半身が麻痺した「天才野球少年」が迎える最後の夏 あきらめなかった甲子園出場の夢、「代打の一打席でもいいから……」

2024.07.05

白山高元監督の“下剋上球児”再現はあるのか!? センバツ1勝の宇治山田商、2年生集団で東海大会準優勝の菰野など各ブロックの見所を紹介【2024夏・三重大会展望】

2024.06.29

北海は道内29連勝なるか、東海大札幌VS札幌日大の強豪対決も、30日に札幌支部で代表決定戦【2024夏の甲子園】

2024.06.29

激戦区・愛知が開幕!ノーシードから4連覇狙う愛工大名電が17得点の圧勝発進、大府、愛知産大三河も初戦を突破【2024夏の甲子園】

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.28

最下位、優勝、チーム崩壊……波乱万丈のプロ野球人生を送った阪神V戦士「野球指導者となって伝えたいこと」

2024.06.23

プロ注目の大阪桐蔭・徳丸が大学生相手に決勝アーチ!直近3週間5本塁打と量産態勢!2年ぶり夏甲子園へ強打者の勢い止まらず!

2024.06.24

愛媛の組み合わせ決定!今春優勝の松山商・大西主将は「どのチームと闘っても自信をもってベストなゲームをしたい」シード4校主将が意気込み語る!