試合レポート

【関西六大学】大学選手権出場の大阪商業大の主砲・渡部はスカウト前で三塁守備をアピール、真鍋慧は1年春でベストナインを獲得!

2024.05.22


真鍋 慧・渡部 聖弥(ともに大阪商業大)

関西六大学野球連盟春季リーグ戦大阪経済大30大阪商業大>◇20日◇72回戦◇マイネットスタジアム皇子山

既に優勝を決めている大阪商業大は0対3で大阪経済大に敗戦。8勝2敗の勝ち点4で春季リーグ戦を終えた。

この試合ではドラフト上位候補の渡部 聖弥(4年=広陵)が4番三塁、大物ルーキーの真鍋 慧(1年=広陵)が5番中堅でそれぞれ出場。これまで渡部は中堅、真鍋は指名打者で出場していた。

オープン戦では渡部が三塁、真鍋が中堅でそれぞれ出場することはあったが、公式戦での出場はこれが初めて。そのパフォーマンスに注目が集まった。

実は渡部は内野手として広陵に入学しており、2年春の甲子園も三塁で出場している。2年秋からは打力を活かして外野にコンバートされ、この日は高校2年生以来となる三塁での公式戦出場だった。

「緊張した場面で守るのは久しぶりだなというのはあったんですけど、オープン戦で守っていたし、ノックもけっこう受けていたので、そこまで新しい感じはなかったです」と渡部は三塁でブランクを感じさせない守備を披露。3度の守備機会を無難にこなし、強肩を活かしたスローイングは目を見張るものがあった。

視察に訪れたNPBスカウトの前で内野でも勝負できるところをアピールした渡部。ドラフト会議で指名された球団によっては内野で起用される可能性も十分にありそうだ。

その一方で打撃では41打数9安打で打率.220と苦戦。開幕前の時点であと11本まで迫っていたリーグ通算100安打を達成することができなかった。

「スイング自体は悪くないと思うんですけど、ボール球に手を出していました」と反省。「4番を任されている中でこういう結果になってしまっているのは責任を感じないといけないと感じる反面、全国では自分で勝ったと言われるように4番としての役割を果たしたいと思っています」と全日本大学野球選手権での活躍を誓った。

高校時代の真鍋は主に一塁手として出場。渡部と違って、外野は大学に入ってから始めたばかりだ。

打球の追い方やスローイングにまだ不慣れな様子が見えるが、この試合を見た限りでは無難に守れており、穴になるというほどではない。「まだ一歩目とかもう少しかなというところはあるんですけど、勘は良いと思います」と渡部も素質を高く評価しており、これから経験を積めば、「中堅手・真鍋 慧」としての評価も高くなってくるだろう。

「DHじゃやっぱり駄目だと思うので、これからしっかり外野も守れるようにしていきたいです」と本人も外野守備の向上に意欲的。秋以降は外野での出場が増えてくるかもしれない。

打撃でも41打数13安打で打率.317、1本塁打と結果を残し、指名打者部門でのベストナインと新人賞に値する平古場賞を受賞した。

充実のシーズンにも「まだ満足していないので、頑張って練習していきたいと思います」と表情を引き締めた真鍋。

全日本大学野球選手権でもその打棒に期待がかかる。

他にも防御率0.00で最優秀選手賞に輝いた鈴木 豪太(3年=東海大静岡翔洋)や大阪商業大の谷佳知(元オリックス、巨人)が保持していた打率.565の連盟記録を更新する打率.571をマークした福島 大輝(4年=倉敷商)など逸材揃いの大阪商業大。初の日本一も十分に狙える陣容だ。

この記事の執筆者: 馬場 遼

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