【鹿児島NHK選抜大会展望】本命・神村学園、対抗馬・鹿児島実、2強の牙城を崩すのは?
正林 輝大(神村学園)、井上 剣也(鹿児島実)
【組み合わせ】鹿児島NHK選抜大会
第66回NHK旗争奪鹿児島県選抜高校野球大会は、25日から6月2日まで(準決勝前日は休養日、雨天順延)、鹿児島市の平和リース、鴨池市民両球場で行われる。開会式は25日午前9時から平和リース球場で開催され、れいめい主将の藤本 悠人内野手(3年)が選手宣誓を行う。
20チームが出場し、センバツ出場の神村学園が第1シード、今春の県大会優勝の鹿児島実が第2シード、準優勝の鹿屋農が第3シードで、4強のれいめいが第4シード、同じく4強の出水中央が第5シードとなった。
神村学園、鹿児島実の戦力は充実
夏選手権大会前の最後の県大会で、夏の「前哨戦」でもある。点数制となった夏の大会のシード権を勝ち取るためにも、直近の本大会で好成績を残すことが大事となる。
今センバツに出場し、春の九州大会準優勝の神村学園が1歩抜けている存在であるのは衆目の一致するところだろう。一方で、春の鹿児島大会を制し、九州大会4強入りを果たした鹿児島実も、潜在力は神村学園に引けをとらないものがある。この2強が頭1つ抜けている印象がある中で、他のチームがどこまで食い下がり、あるいは予想を覆すか、注目したい。
神村学園は昨夏甲子園4強メンバーが多数残り、今春センバツでも作新学院(栃木)に勝利し、大阪桐蔭(大阪)とも接戦を演じた。春の九州大会でも準優勝と、着実に経験を積み重ねている。不動の4番・正林 輝大外野手(3年)、岩下 吏玖内野手(3年)、入耒田 華月外野手(2年)、今岡 拓夢内野手(2年)ら強打者がそろう。投手陣は左腕・上川床 勇希投手(3年)が九州大会でエース番号を背負い、2年生投手陣も経験を積んだ。夏連覇に向けての死角は、今のところ見つからない。
鹿児島実は昨年秋に3回戦で敗れたが、春に結果を残して自信を取り戻した。150キロ右腕の井上 剣也投手(3年)を筆頭に、菅田 空来投手(3年)、長田 鉄生投手(3年)、菊池 匠太郎投手(3年)、西 悠太朗外野手(3年)と力のある投手がそろっており、投手陣の豪華さは神村学園をもしのぐ。低反発バットの対応に苦慮し、打線が今一つ上向いていないのが課題だが、4番・原田 颯馬内野手(3年)を筆頭に、満留 裕星内野手(3年)、下原口 仁内野手(3年)ら、力のある打者がそろっている。今季、神村学園と鹿児島実の直接対決はない。両者が順当に勝ち上がれば、決勝で当たることになる。「夏の前哨戦」という意味では、ぜひ今の段階で見てみたい。