蘇った天才・岸潤一郎(西武)の頭脳は「明徳義塾の馬淵野球が8割」! 勝ちにこだわる野球で低迷するチームの救世主となれるか? 【主筆・河嶋宗一コラム『グラカンvol.25』】
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明徳義塾時代の岸潤一郎
明徳義塾で培った野球脳の高さを西武でも発揮
結果的に高校卒業後は野手に専念します。拓殖大進学後は、怪我により中退。トミー・ジョン手術も経験し、2018年に徳島インディゴソックスに入団します。
怪我から復帰し、野手としてプレーする岸選手は勝負強く、高い走塁技術を誇っていました。1年目から打率.275、3本塁打、18打点、38盗塁を記録し、盗塁王とベストナインを獲得。徳島2年目となった2019年のシーズン前にはドラフト指名に向けて、内野守備の練習に励んでいました。2年目では69試合で3本塁打、25打点、打率.267、35盗塁と大きく数字を伸ばすことはありませんでしたが、2019年のドラフトで西武から8位指名を受け、NPB入りを決めました。
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握手を交わす岸潤一郎(徳島インディゴソックス-西武ライオンズ)
重要な試合や、スカウトが見る試合で必ず結果を残し、数字以上に評価されていました。大舞台の強さについて岸選手は西武入団後のインタビューでこう語ってくれました。
「高校時代は特に感じなかったのですが、独立リーグのお客さんはどうしても少ない。そんな中、多くのお客さんが来ていただけるのは本当にありがたいことに気づきました。だから自分はそういうときほど自然とテンションが上がると思います」
岸選手はNPB2年目の2021年に100試合出場し、9本塁打30打点の記録。その後も一軍で本塁打を放ち、昨年まで14本塁打を記録。岸選手が注目されているのは相手のスキを逃さない守備です。昨年7月6日のロッテ戦では、安田 尚憲内野手(履正社)が放った打球がセンターを守っていた岸選手のもとに飛びました。ただサヨナラヒットが決まり、オーバーラン気味だった安田選手の動きを見逃さず、前進守備をしていた岸選手はセンターゴロを狙おうとしていたんです。ただ一塁手がベースに入っておらず、ヒットとなりましたが、こうした意識でやったからこそ、昨年7月22日の楽天戦では無死一塁の場面で岸選手が守るライト前へ打球が飛び、一塁走者の動きを逃さず、ライトゴロを完成させました。
岸選手は明徳義塾時代の経験について、
「明徳義塾での経験を伝えたい想いはあります。僕の中では『勝ちにこだわる・相手が嫌がる野球をする』馬淵 史郎監督の教え、考え方が8割。誇りに思っています」
と語っていましたが、万全にプレーができている今だからこそ、高校時代に培ってきた野球脳を発揮することができています。
西武にはいろんな経歴を持った選手たちがいますが、今季の戦いを見ると、機能していないように感じます。勝つためにはどうすればいいかを徹底的にこだわってやってきた岸選手が主力選手としての立ち位置にいるのは好循環につながると思います。岸選手が牽引すれば、他の選手達も自ずとついていくでしょう。
このまま結果を残し、西武の救世主となるのか。蘇った天才・岸 潤一郎の活躍を期待しています。
*『主筆・河嶋宗一コラム グラカン!』は毎週日曜配信します。
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徳島インディゴソックス時代の岸潤一郎
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