今年はどうなる?セ・リーグの大砲、村上宗隆と岡本和真のタイトル争い
開幕から約1ヶ月が経ったプロ野球。近年のセリーグは巨人・岡本 和真内野手(智辯学園出身)と、ヤクルト・村上 宗隆内野手(九州学院出身)が、ホームラン王と打点王を争っている。
下記が直近3シーズンのホームランと打点のTOP3だ。
2020年
ホームラン王:1位岡本和真31本、2位村上宗隆28本、2位大山悠輔28本
打点王:岡本和真97打点、村上宗隆86打点、大山悠輔85打点
2021年
ホームラン王:1位村上宗隆39本、1位岡本和真39本、3位鈴木誠也38本
打点王:1位岡本和真113打点、2位村上宗隆112打点、3位山田哲人101打点
2022年
ホームラン王:1位村上宗隆56本、2位岡本和真30本、3位丸佳浩27本
打点王:1位村上宗隆134打点、2位牧秀悟87打点、2位大山悠輔87打点
この成績を見ると、この3シーズンは岡本と村上が上位にいて、タイトル争いをしていることがわかる。この両選手は持ち味の長打率を生かして、今年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で優勝に導いた。しかし、シーズン開幕後は明暗が分かれている。
岡本和真
岡本和真は好調のスタートを見せる
巨人の岡本は、開幕からいいスタートを見せている。WBCでは、大会序盤は苦しんだが、準々決勝のイタリア戦でホームランを放ち、決勝の米国戦でもホームランを記録した。このあたりから、打撃の調子は上がってきた。
昨シーズンはレギュラー定着後最低の成績となった。特に、8月以降は大不振に陥り、4番から降格されることもあった。
現在は4月23日終了時点で3割以上の打率を残しているが、昨シーズンの悔しい思いをした主砲は強い気持ちでシーズンに臨んでいるだろう。
岡本の強みは、本調子ではない時でもホームランが出ることだろう。2018年から2022年まで5年連続で30ホームラン以上を記録している。この記録は巨人だけで見ると、達成しているのは王貞治と松井秀喜、岡本のみである。天性のホームランアーティストとして、ここまで長打が見込める選手はそうそういないだろう。
さらに好不調は激しいものの、打点もこの5年で2度の100打点以上、90打点以上も4度記録している。長打力だけではなく、勝負強さもあることから、岡本の強打者としての資質は非常に高いことがわかる。
今シーズンは、ホームランと打点がなかなか伸びていないが、巨人では坂本以来の右打者で40本塁打到達に期待していきたい。
村上宗隆
昨シーズン終盤から安定しない村上宗隆
逆に昨シーズン終盤から安定していないのが村上だ。
昨シーズンは、三冠王を獲得したがシーズン終盤はプレッシャーや他球団からのマークの厳しさも含めて、不調に陥った。
WBCでは4番として期待されていたが、大会序盤はなかなかヒットが出ずにいた。不調だった中で、チェコ戦でようやく初安打を記録。準々決勝で、初の長打。準決勝では、サヨナラタイムリー、決勝ではホームランを記録するなど、岡本同様に、徐々に調子を上げていった。
しかし、シーズンに入ってからは打率は2割にも満たない。ホームランの数はもちろんのこと、長打率を見ても、物足りなさを感じる成績だ。
ただ、得点圏打率は3割以上を記録している。打点も上位に入るほどだ。この成績を見ても、不調なりにチームに貢献していることがわかる。
また、2021年と2022年の村上は夏場に調子を上げている傾向がある。これまでの実績を見ても、徐々に調子を上げていく前提で見ていきたいところだ。
現在、首位争いを演じるヤクルトは投手陣がリーグトップクラスで盤石ではあるが、村上の復調と山田 哲人内野手(履正社出身)の復帰が今後の鍵を握るのは間違いない。