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松井裕樹が苦しみ、田宮裕涼が爆発し、村上頌樹が涙した! 「思い出深い夏の地方大会序盤戦」厳選5試合!【主筆・河嶋宗一コラム『グラカンvol.27』】

2024.07.07


智辯学園時代の村上頌樹、桐光学園時代の松井裕樹

皆さん、こんにちは!! 『高校野球ドットコム』の河嶋です!
いよいよ夏の地方大会が本格的に始まりました。
甲子園出場が見えてきた終盤戦ももちろん面白いのですが、地方大会の序盤戦、じつは見所がたくさんあります。これまで私が見てきた「最高の地方大会序盤戦5カード」を紹介しましょう。

昨年のMVP・村上頌樹が打ち砕かれた日

Case1:2013年 第95回神奈川大会2回戦:桐光学園vs相洋
当時、世代No.1左腕として注目されていた桐光学園松井 裕樹投手(現パドレス)が最後の夏を迎え、初戦から強豪・相洋と対戦することになりました。2年夏、甲子園の今治西戦で22奪三振を記録して以来人気だった松井投手を人目見たいファンで、保土ケ谷球場は満員に。
桐光学園は序盤で2点を先制しますが、相洋も粘り強く攻めて、5回表に同点に追いつきます。この試合の松井投手は球数も多く苦しんでいるように感じられました。しかし6回表には三者連続三振を奪い、見事に相手の流れを断ち切ります。
松井投手は9回表にも一死満塁のピンチを招きましたが、三振、一邪飛でしのいで、2失点完投勝利を挙げました。苦しみながら勝利をあげた松井投手の姿が忘れられません。
【当時の試合レポート】
桐光学園vs相洋「神奈川県の険しさを物語る 桐光学園の初陣」

Case2:2014年第96回千葉大会2回戦 拓大紅陵vs銚子商
昭和から千葉をリードしてきた拓大紅陵銚子商の初戦からの激突に、会場となったゼットAスタジアムは満員。有料観客動員は6250人を記録しました。
この年は拓大紅陵を長く指揮してきた小枝 守監督のラストサマー。特別な1年となった拓大紅陵銚子商先発の林 桂大投手(JFE東日本)を攻略し、3対1で勝利しました。この年の拓大紅陵は4回戦敗退となりましたが、守備力が高い好チームでした。監督の勝利のために全力で戦う拓大紅陵ナインが印象的でした。
【当時の試合レポート】
拓大紅陵vs銚子商「1日でも長い夏を!拓大紅陵が宿敵対決を制する!」

Case3:2015年 第97回奈良大会2回戦 天理vs智辯学園 
奈良を代表する名門校がいきなり2回戦で激突しました。私も早朝に会場に着いたのですが、佐藤薬品スタジアムはすでに満員。ネット裏には座れず、三塁側で見ることになりました。智辯学園の先発は、昨年のMVP&新人王に輝いた阪神・村上 頌樹投手でした。当時2年生だった村上投手は快速球を投げていましたが、船曳 海外野手(日本新薬)に打ち砕かれてしまいます。船曳選手は3回裏に同点本塁打を放ち、さらに5回裏にも2ランを放ったのです。試合は天理が4対1で勝利しました。敗れた智辯学園ですが、当時3年生の廣岡 大志内野手(オリックス)が8回に痛烈な左前安打を放ち、盗塁も決めて、孤軍奮闘していました。
【当時の試合レポート】
天理vs智辯学園「舩曳海が試合を決める2本塁打で智辯学園との宿敵対決を制する!」

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この記事の執筆者: 河嶋 宗一

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