ライバル岡本和真と村上宗隆で大幅に違う数字
高岡本 和真(智弁学園出身)
どうしても、この二人の打席ばかりに目がいってしまう。巨人vsヤクルトの試合は、セ・リーグの首位争いの試合だが、「スラッガー対決」として見てしまう。巨人の岡本 和真内野手(智弁学園出身)とヤクルトの村上 宗隆内野手(九州学院出身)。ともに「4番サード」。私が子供のころは「4番サード」は華だった。巨人長嶋 茂雄の代名詞でもあった「4番サード」の対決に、目がいってしまうのだ。
この2連戦の対決はどうか。
巨人・岡本 和真 17日=投併、中安、三振、三ゴ(打点0)
18日=遊併、右飛、右飛、敬遠(打点0)
ヤクルト・村上 宗隆 17日=四球、三振、四球、左飛、二併(打点0)
18日=投ゴ、右飛、左安、中安、三振(打点2)
17日はヤクルトが大勝して、18日は引き分けた。岡本も村上も、本塁打という自身の力は発揮できないまま終わった。互いに4番の重圧がかかっているのだろう。村上は「史上最速100号」というプラスの重圧もある。それでも18日は2安打2打点で貢献している。18日に限っては村上に軍配が上がった。
高校時代の村上宗隆(九州学院出身)
2人の数字がライバルと呼ぶにふさわしいことを証明している。
岡本 37本塁打、100打点、打率.278、得点圏打率.291、長打率.587
村上 34本塁打、91打点、打率.283、得点圏打率.308、長打率.598
強打者として、なかなかの互角だが、ひとつ大幅に違う数字を見つけた。
岡本40、村上84。村上がほぼ「ダブルスコア」で勝利しているのが、四球だ。村上の84四球はリーグトップ。2位の広島・鈴木 誠也の67を大きく引き離している。パ・リーグでは、楽天・浅村 栄斗が84でトップを走っている。相手投手に警戒されることはもちろんだが、選球眼、粘り…といろんな要素が原因なのだろう。
岡本はどちらかというと初球から積極的に振るタイプなので、この差になっているのだろうが、チームにとっては四球で塁に出てもらった方が助かる。出塁率を見れば、岡本の.343に対して村上が.414。岡本がここ4年でシーズン四球数が減っているのに対して、村上は3年前が74で昨年が87。今年はもう84なので、更新するのは時間の問題だろう。2人のタイプがここでは対照的に見える。
ペナントの行方もそうだが、個人タイトル争いも気になる。村上が岡本を抜ける可能性があるのは本塁打より打点だろう。これまで同様「四球が多い」村上で通せるのか。打点を稼ぎにいって四球が減るのか。ヤクルトは巨人より残り試合数が6試合も多い。九州人としては、どうしてもいろいろと期待してしまう。
(記事:浦田 由紀夫)