東海大相模vs鎌倉学園
一振りで主導権を握った遠藤の場外弾!東海大相模が3年連続の関東大会へ
先制の場外スリーランを放った遠藤成(東海大相模)
準々決勝で顔面に四球を受けた東海大相模の井上恵輔は、やはり状態が良くないようで、先発マスクを被ったのは荻原義輝であった。それに伴い、打順の組み換えも見れられ、2番・遠藤成、3番・西川僚祐、4番・山村崇嘉という実に攻撃的なオーダーとなった。
東海大相模の門馬敬治監督は、昔から攻撃的なオーダーを組む特徴があったが、今大会では2番に西川が入ることもあるなど、いつになく攻撃的な姿勢が現れていた。そしてこの試合で2番に入った遠藤も、全国的に見てもトップレベルの強打者である。「2番・西川」とはまた一味違った攻撃的なオーダーとなり、試合前から胸が躍った。
そして、2番に入ったこの遠藤が、大仕事を果たすことになる。
0対0で迎えた5回裏、ここまで鎌倉学園の先発・作野友哉に抑え込まれていた東海大相模は、ランナーを二人置いた場面で2番の遠藤に打席が回る。内から入ってきた変化球を振りぬくと、打球はライト場外へ消えていく高校通算37本目の特大先制スリーランとなった。
試合は緊迫した投手戦の様相を見せていたが、遠藤のたったひと振りで東海大相模が試合の主導権を握った。
東海大相模の先発・野口裕斗は、立ち上がりこそ制球に苦しんだが、2回以降は安定した投球を見せる。昨年の選抜甲子園では、どちらかと言えば変化球で交わすタイプの投手だったが、真っすぐを主体に出来るだけの球威を身につけて、安心して見ていられる投手になった印象だ。ヒットを許すことはあっても連打は許さず、丁寧に試合を進めていく。
何とか追いつきたい鎌倉学園は、8回表に3番・磯崎の犠牲フライで1点を返すものの、その裏すぐに追加点を許して結局点差は3点のまま。試合は、そのまま4対1で東海大相模が勝利して決勝進出を決め、3年連続の春季関東大会進出を決めた。
鎌倉学園は、春季大会初登板の作野が好投を見せたが、初回のチャンスで得点を奪えなかったことが大きく響く結果となった。野口が浮足立っていた初回に得点を奪うことが出来ていれば、また違った試合展開になったかもしれない。
とは言え、作野の投球が強打の東海大相模打線にも通用すると分かったことは大きな収穫と言える。この収穫を無駄にすることなく、是非とも夏に繋げて欲しい。
(文=栗崎 祐太朗)