夏の甲子園に2年連続出場中の近江・多賀章仁監督「後々、あの経験が活きたと言えるような歩みをしてほしい」
昨秋5季連続で滋賀大会を制覇した近江
3年連続の夏の甲子園出場を目指していた滋賀の名門・近江。しかし、新型コロナウイルスの影響でその夢は絶たれてしまった。その決定から一夜明け、多賀章仁監督に電話で話を伺った。
「予想はしていましたので、致し方ないのかなと思います。3年生には面談をする時間を取って、今後の進路について方向性を持たせてやりたいです。今はそれが一番かなと思っています。ウチは甲子園に近い学校ということで来てくれている生徒ばかりです。そういう意味では親御さんの心情も含めて、できることはないかと考えながらやっていきたいと思います」
このように現在の心境と今後の方針を語ってくれた多賀監督。電話越しに無念さが伝わってきた一方で、選手や保護者の心情を思いやる言葉が続いた。
新型コロナウイルスの感染が拡大する中で、3月1日にチームは一度活動停止になった。終業式翌日の3月20日から練習が許可され、4月10日まではチームを二つに分けて2時間ずつの練習を行っていたが、緊急事態宣言が出たことにより、11日から再び活動停止を余儀なくされた。チームの成熟度が高まっていくこの時期に活動できなかったのは痛かったと多賀監督は話す。
「ここから夏の大会に向けてチームが変わっていき、3年生が一番伸びる時期に全く活動ができなかったのは何よりも3年生にとって不運なことだと僕自身は思っているんですよね。3年生が試合や練習での出来事で自分を大きく変えていく経験できなかったのは大きいと思います」
現在、滋賀県では緊急事態宣言が解除されており、6月1日の学校再開と同時に部活動も解禁される予定だが、従来通りに活動するのは難しいことが予想される。
「後々、あの経験が活きたと言えるような歩みをしてほしい」と教え子に想いを託した多賀監督。近江は卒業後にも大学等で野球を続ける選手が多い。次のステージでの彼らの活躍を心から願いたい。
(取材=馬場 遼)
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