延岡学園vs都城
延岡学園が追う展開も、「執念」で決勝へ!
先発した山本由(都城)
【両チームここまでの戦績】
■延岡学園
[1回戦]3対2都城西
[2回戦]4対2都農
[3回戦]4X対3富島(9回サヨナラ・試合レポート)
[準々決勝]9対0都城東(7回コールド・試合レポート)
■都城
[2回戦]不戦勝(第2シード日南学園の出場辞退)
[3回戦]2対0宮崎工業(試合レポート)
[準々決勝]8対0高鍋(7回コールド・試合レポート)
延岡学園は7季ぶり15回目、都城は33季ぶり11回目の九州大会出場をかけた準決勝第2試合。
試合は初回から動く。都城5番嵐が一死満塁から左前適時打を放ち先制すると、続く6番ピッチャー山本由が走者一掃の右中越3点適時三塁打を放ち、延岡学園先発岡田(0回1/3)をマウンドから降ろした。
都城は、2回にも4番前田の中犠飛と5番嵐の右前適時打で加点し、延岡学園から6点のリードを奪う。しかし、延岡学園は1回一死からマウンドに上がった右サイドハンド井上が、テンポよく都城打線を抑えて試合を立て直す。同時に、延岡学園打線が本領発揮し、じわじわと追い上げる。
そして、ついに6回。
延岡学園二死二塁から4番野﨑が放った中飛球が強風に流され、都城の中堅手が追いつきグラブにあてるも捕球できず、8対8。試合はふりだしに戻った。
マウンドに立っているのは、都城は山本由。延岡学園は井上。勝敗の行方は、両1年生投手に託された。
二番手・井上(延岡学園)
すると、8回。延岡学園が一死二三塁から4番野﨑の中犠飛、敵失から10対8とリードした。
このまま終われない都城は、最終回。5番嵐が一死一二塁から右前適時打で1点を返すと、一死一三塁で一打同点、二死二三塁で一打サヨナラのチャンスまでつくったが、代わった延岡学園菅原からあと一本が出なかった。
(都城5番嵐は4打数4安打3打点の活躍)
延岡学園は、序盤の大量失点に物怖じせず、最後までしぶとく戦い抜いて「勝利」を掴んだ。勝利に繋がった得点シーン・好プレーシーンでは、感情むきだしで気迫漲る選手達の表情が印象的だった。
2013年夏(第95回全国高等学校野球選手権大会)に先輩達が果たせなかった「日本一」を目指す延岡学園ナインが、久しぶりに秋から好スタートを切った。7季(128回)ぶりの九州大会出場も、あくまで通過点。決勝・九州大会でも、目の前の試合を、自分たちの野球をするだけだ。
■延岡学園重本浩司監督
「今日の勝ちは、勝負に対する執念!1年井上、最後は菅原が良く投げた。」
■延岡学園井上眞投手(1回一死から9回一死まで登板)
「流れを変えようと思って『気持ち』だけで投げた。(岡田先輩など)守備が良く守ってくれたので、打たせても怖くなかった。」
■都城森松賢容監督
「リードしたことで、チャレンジャーから受け身に入ったところがあった。1年生バッテリーの若さも出たので、また守備から鍛えなおす。」
(写真・文=三角 竜之)