明徳義塾vs高知中央
明徳義塾先発・福丈幸(3年)
夏のシード権獲得ならずも収穫得た今大会
この明徳義塾戦に勝利すれば、高知商を抜き第4シードが確定。さらに優勝すれば、土佐を抜き第3シードを手にすることができた高知中央。ただし、明徳義塾の壁は現状の彼らにとって厚いものだった。
先発の東林学(3年)が1回表に5番・杉原賢吾(3年)、2回に2番・今里征馬(3年)からタイムリーを浴び、いきなり3点のビハインドを背負う。2番手の渡邉謙太郎(2年)も踏ん張りきれず中盤でも失点を重ねることに。
相手先発・福丈幸(3年)の疲労を見逃さず中軸の3番・芝田泰樹(3年)、4番・田川賢吾(3年)、5番・増田拓也(3年)が3連打を放った6、7回の攻撃は見事だったが、最後は満を持して登板した田川が3番・伊與田一起(3年)に強烈な2ランを叩き込まれ計11失点。春季高知県大会準決勝とほぼ同じ流れで高知中央は再び明徳義塾の前に屈したのである。
ただ、それも角田篤敦監督にとっては想定内のもの。筆者が普段に比べて明らかに動きが悪い選手たちの状態を指摘すると、指揮官はこう返した。
「今はきつめに練習をやっています。ただ、それも夏に向けてやらなくてはいけないことなので」。
その目は「あくまでも勝負は夏だよ」と言っているようだった。
今大会を通じて名を高めた田川をはじめ、多くの収穫を手にした高知中央。あと2ヶ月足らずの成長次第では、彼らはノーシード、ダークホース以上の存在感を夏の高知大会で示すことになりそうだ。
(文=寺下友徳)