試合レポート

関東一vs駒大高

2018.04.08

関東一・石橋、覚醒の3ラン!駒澤大高、惜しい序盤の逸機

関東一vs駒大高 | 高校野球ドットコム
6番好守の宮田蒼太(関東一)

秋季都大会8強の立正大立正を破り勢いに乗る駒澤大高に対し、関東一は苦戦続きで、今一つ波に乗れない状態。

序盤はこうした状況を反映して、駒澤大高が押し気味に試合を進める。1回表は、駒澤大高は関東一の先発、背番号1の平川巧を攻め、安打2本に四球で一死満塁のチャンスを作る。しかしあと1本が出ず得点できない。

 3回表駒澤大高は、2番・田代大和のライト線近くの二塁打に敵失も重なり、一死一、二塁のチャンスを得るが、4番・不破啓輔は三振、5番・山﨑恒太の難しい当たりのゴロを、関東一の遊撃手・宮田蒼太がうまく処理して得点を与えない。

 その裏関東一は、この回先頭打者の9番・平川がファールなどで11球粘って右前安打で出塁する。宮田の好守備と、ピンチを招きながら奮闘するエースが、粘った末に安打で出塁したことで、試合の流れが変わった。

  駒澤大高の先発・佐々木健太は力のある球で1、2回は関東一に得点を与えなかった。しかし3回裏は、平川の安打と2番・天野陽斗の左前安打などで二死二、三塁とし、打席には今大会調子が出ない4番・石橋康太がを迎える。「結果に対するプレッシャーもあるのですが、乗り越えないと、先に進めない」と語る関東一の米澤貴光監督は、石橋にそんな話をしてきたという。それを受けて石橋も、「結果を残さないと、と縮こまっていました。振ることに意味があります」と石橋は語る。ストライクは積極的に振ったけれどもファールになって迎えたフルカウントからの7球目。力強い打球がレフトのフェンスを超える3ランとなり、関東一が3点を先制した
「歩かせてもいいと思って投げた球が、中に入ってしまいました」と、駒澤大高の川端教郎監督は語る。
 この一発で試合は完全に関東一のペースになった。立ち上がりやや不安定だった平川も落ち着きを取り戻し、駒澤大高に得点を与えない。駒澤大高にとって厄介だったのは、捕手としての石橋の存在だった。「牽制など、スローイングがいいので、動くことができませんでした」と。駒澤大高の川端監督は言う。

 

 関東一は、6回裏は左前安打の石橋を、7番・泉健太が左前安打で還し1点追加。8回裏には疲れのみえる駒澤大高の佐々木から、石橋をはじめ安打3本を集め、3点を追加して、勝負を決めた。石橋はこの試合本塁打を含め4打数4安打と、完全に調子を取り戻した。

 駒澤大高は7回表に田代の右前適時打などで1点を返したが、8回以降はリリーフした畠山陽介に完全に抑えられて7-1で関東一が勝利した。

 駒澤大高は、敗れはしたものの、エースの佐々木は球威が増し、秋よりはチームは格段に強くなっている。しかし2日の1回戦、4日の2回戦も佐々木が1人で投げており、疲労感は隠せなかった。「夏に向けて、もう1人ピッチャーを育てないと」と川端監督。ここまで力を伸ばしてきているだけに、控え投手の育成を含め、チーム全体の底上げを期待したい。

 関東一は、4回戦は上野学園と対戦する。石橋が本来の打撃を取り戻し、畠山は抑えとして安定した投球をしており、勝つための体制が徐々に整いつつある。

大島 裕史

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.06.23

プロ注目の大阪桐蔭・徳丸が大学生相手に決勝アーチ!直近3週間5本塁打と量産態勢!2年ぶり夏甲子園へ強打者の勢い止まらず!

2024.06.23

大阪桐蔭が名門・日体大に1勝1分け! スター選手たちが快投・豪快弾・猛打賞! スーパー1年生もスタメン出場 【交流試合】

2024.06.22

【鹿児島】神村学園は鹿児島商と沖永良部の勝者と対戦、鹿児島実は大島と初戦で対戦<夏の甲子園県大会組み合わせ>

2024.06.22

【岐阜】県立岐阜商は高山西と対戦、同ブロックに中京<2024夏の甲子園県大会組み合わせ>

2024.06.22

【愛媛】23日に抽選会!名門・松山商が1歩リード、済美、今治西が追う展開か<夏の甲子園県大会組み合わせ>

2024.06.21

なぜ高校野球の新たなリーグ戦は拡大し続けているのか?『チームのために個人がいる』ではなく『個人の成長のためにチームがある』~野球指導者・阪長友仁のビジョン後編~【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.7】

2024.06.23

プロ注目の大阪桐蔭・徳丸が大学生相手に決勝アーチ!直近3週間5本塁打と量産態勢!2年ぶり夏甲子園へ強打者の勢い止まらず!

2024.06.23

大阪桐蔭が名門・日体大に1勝1分け! スター選手たちが快投・豪快弾・猛打賞! スーパー1年生もスタメン出場 【交流試合】

2024.06.18

今夏埼玉の注目野手18人! ドラフト1位級の花咲徳栄スラッガーを筆頭に浦和学院・昌平らに大型選手が揃う【埼玉注目野手リスト】

2024.06.18

昨夏甲子園出場の東海大星翔進路紹介!遊撃手は阪神、エースは専修大、主将はレギュラーとして大学選手権出場!

2024.05.31

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在34地区が決定、佐賀では佐賀北、唐津商、有田工、龍谷がシードに

2024.06.21

なぜ高校野球の新たなリーグ戦は拡大し続けているのか?『チームのために個人がいる』ではなく『個人の成長のためにチームがある』~野球指導者・阪長友仁のビジョン後編~【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.7】

2024.06.11

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在41地区が決定、長崎、高知、新潟、大分などでシードが決まる〈6月10日〉

2024.05.25

首都2部優勝の武蔵大の新入生に浦和学院の大型左腕、左の強打者、昌平の主軸打者など埼玉の強豪校の逸材が入部!

2024.05.24

春季近畿大会注目選手17人! 智辯和歌山の大型右腕、大阪学院大高の全国トップレベル遊撃手、天理のスラッガーコンビら逸材がこぞって出場!