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【中日】柳、大野についで小笠原が台頭、福谷&福は来季の期待感じる

2021.12.12

【中日】柳、大野についで小笠原が台頭、福谷&福は来季の期待感じる | 高校野球ドットコム
横浜高時代の柳 裕也投手

 2021年シーズンが終了した。東京五輪があり変則日程ながら2年ぶりに143試合が行われ、セ・リーグはヤクルト、パ・リーグはオリックスが前年最下位からの優勝となった。日本シリーズは優勝チーム同士の対戦となり、ヤクルトが4勝2敗で20年ぶりの日本一に輝いた。

 両リーグのタイトルは確定したが、12球団各チームの中でのランキングはどうだったのか。今季のデータを振り返り、投手、打者に分けてランキングを紹介していく。

 今回は中日。投手力ではリーグトップクラスだった。防御率3.22はリーグ1位。それでもチームは5位に甘んじた。阪神、広島とともに先発陣がしっかり固定されて、中継ぎ、抑えのリレーも確立していたが、勝利に結びつかないケースが多かった。来年以降、個々がレベルアップできればさらに投手力は安定することになる。

 勝利数では先発の柱だった柳が唯一の2ケタ勝利でチームトップだった。柳自身2年ぶりの2ケタ勝利、大野は2年連続の2ケタ勝利はならなかった。小笠原はキャリアハイの8勝を挙げ、来年は2ケタ勝利が期待される。

<勝利数ランキング上位>
1位 柳 裕也 11勝(6敗)
2位 小笠原 慎之介 8勝(10敗)
3位 大野 雄大 7勝(11敗)
4位 松葉 貴大 6勝(5敗)
5位 福谷 浩司 5勝(10敗)

 チーム内での防御率ランキングは規定投球回数の3分の1とハードルを低く設定したため防御率のタイトルを手にした柳は4位。又吉、藤島と中継ぎ陣の2人が上位を占め、抑えのマルティネスが3位だった。中継ぎ陣は安定していたと言える。

<防御率ランキング上位>(規定投球回数の3分の1以上)
1位 又吉 克樹 1.28(63.1回)
2位 藤嶋 健人 1.59(51回)
3位 R.マルティネス 2.06(48回)
4位 柳 裕也 2.20(172回)
5位 祖父江 大輔 2.59(48.2回)

 投球回数はリーグトップの数字でもあった172回を投げた柳。リーグで誰よりも多くのイニングを投げた上での防御率トップは誇れる。福谷は10敗を喫したが、初めてシーズン100イニングを超えた。

<投球回数ランキング上位>
1位 柳 裕也 172回(防御率2.20)
2位 小笠原慎之介 143.1回(防御率3.64)
2位 大野雄大 143.1回(防御率2.95)
4位 福谷浩司 103.1回(防御率4.53)
5位 勝野昌慶 91.1回(防御率3.74)

 登板試合数では、リーグ2位でもあった又吉の66試合がトップだった。ルーキーイヤーから5年連続で40試合登板を続けてきたが、ここ2年はともに26試合。3年ぶりに40試合以上登板を果たした。福はキャリアハイの57試合だった。

<登板試合数ランキング上位>
1位 又吉 克樹 66試合(33ホールド)
2位 福 敬登 57試合(20ホールド)
3位 祖父江 大輔 55試合(19ホールド)
4位 R.マルティネス 49試合(23セーブ)
5位 藤嶋 健人 48試合(5ホールド)

 奪三振数では奪三振のタイトルを取った柳が堂々の1位。自身も自己シーズン最多の168三振を奪った。小笠原も自己最多。

<奪三振数ランキング上位>
1位 柳 裕也 168(26試合172回)
2位 大野 雄大 118(22試合143.1回)
3位 小笠 原慎之介 115(25試合143.1回)
4位 福谷 浩司 73(18試合103.1回)
5位 勝野 昌慶 67(17試合91.1回)

 与四球率では福谷がトップを奪った。先発として17試合に登板し自己最多のイニング数を投げながら、コントロールの良さを証明してみせた。

<与四球率ランキング上位>(規定投球回数の3分の1以上)
1位 福谷 浩司 1.48(103.1回17四球)
2位 大野 雄大 1.63(143.1回26四球)
3位 祖父江 大輔 1.66(48.2回9四球)
4位 松葉 貴大 1.78(76回15四球)
5位 R.マルティネス 1.88(48回10四球)

 大野、柳、小笠原の3本柱に、福谷が加わり、先発陣の厚みは誇れたが、勝ちに結びつかなかった。それぞれ、キャリアハイをたたき出しながら、チームがBクラスに甘んじたのは悔しいだろう。来季、若手の底上げと、中軸のさらなるレベルアップで投手王国を狙う。


 12月2日現在の中日投手登録の支配下選手、自由契約選手は以下の通り。

<中日支配下選手>投手
(数字は背番号、カッコ内は出身高校)
11 小笠原 慎之介東海大相模
12 田島 慎二中部大一
13 橋本 侑樹大垣日大
14 谷元 圭介稲生
16 又吉 克樹西原
17 柳 裕也横浜
18 梅津 晃大仙台育英
19 髙橋 宏斗中京大中京
21 岡田 俊哉智辯和歌山
22 大野 雄大京都外大西
24 福谷 浩司横須賀
25 佐藤 優古川学園
28 森 博人豊川
33 祖父江 大輔愛知
34 福 敬登神戸西
36 岡野 祐一郎聖光学院
38 松葉 貴大東洋大姫路
41 勝野 昌慶土岐商
46 鈴木 博志磐田東
47 笠原 祥太郎新津
50 清水 達也花咲徳栄
53 マルク東邦
54 藤嶋 健人東邦
59 山本 拓実市立西宮
65 加藤 翼帝京大可児
67 ロドリゲス
70 近藤 廉豊南
97 R.マルティネス

<自由契約選手>投手
29 山井 大介神戸弘陵)→引退
40 石川 翔青藍泰斗)→育成再契約
42 ロサリオ
43 三ツ間 卓也健大高崎
64 福島 章太倉敷工)→育成再契約
69 濱田 達郎愛工大名電)→育成再契約

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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