腕はどこから?
第8回 腕はどこから?2011年06月20日
みなさんこんにちは。トレーナーの田口です。もう選手権大会まで10日前後となりました。抽選が終わったチームもこれからというチームもあと10日前後を1日1日悔いの無いように過ごしていってください。
さて今回のコラムは『腕はどこから?』ということについてお話ししたいと思います。
皆さん『腕』というのはどこからだと思いますか?
感覚的にどこを腕と捉(とら)えるか
【肩甲骨から腕を振ることにより腕が長く使える】
身体解剖学的に腕というのは肩関節から先のことを指します。ということはよく指導者の方が『腕を振れ』といいますが、解剖学的に「腕を振る」となると肩関節から先だけを振ることになってしまいます。
しかし、みなさんはさすがに普段そのように腕を振ることはないですよね?
では、感覚的にどこからを腕と捉えればよいのでしょうか?
指導者の方たちによって、かなり様々な表現がありますが、お話ししている中でより多く耳にするのが
・腕は肩甲骨から
・腕は背中から
この2点が非常に多いと感じます。もちろんどちらも正しいと思っています。肩甲骨から腕を振ることにより腕が長く使えます。背中から腕を振ることにより体の回旋を使った投げ方ができます。
足の裏の3ポイント
【球速が伸び悩んだら腕の感覚を意識してみよう】
しかし、これよりもコントロールも向上し、肩関節への負担も格段に軽減できる腕の使い方があります。それは前脚の股関節です。
そこから腕を使うことによって、アームの長さが長くなり脊柱の回旋運動も最小限に抑えられるので、コントロールが格段に良くなります。(回旋=スピンして投げてしまうとコントロールは悪くなります)
そして、更にリリース時に肘の位置が体幹の位置よりも前(ホーム方向)に出ることがなくなるため(肩関節を支点としないで済むため)肩への負担の無くなります。
物理的な話をすると円運動の加速というものは、速さをV、中心の回転速度(角速度)をθ、中心から物体までの距離をSとすると、
V=θ×S
と表すことができます。
つまり、球速を上げるには中心の回転速度を上げ、アームを出来るだけ長くとる必要があると考えられます。
いくら体の回転速度を上げてもアーム(この話に中の『腕』からボールを持った手までの距離)の長さが短ければ末端はそれほど加速されていないということになります。
解剖学的な肩関節から腕を振った時に一番アームが短くなります。次が肩甲骨から、一番アームが長いのは前脚股関節からになります。
右投手でオーバースローなのにも関わらず、投げ終わった後に一塁方向に身体が流れるという人は、アーム(肩甲骨から)が短くなっている可能性が高いです。
なかなか球速が上がらないという方や、コントロールがいまいちという方は、一度『腕』の感覚を確認してみてください。
(文=田口 亮)
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