試合レポート

日大鶴ヶ丘vs明星

2020.07.28

正捕手不在を救った山縣悠孝の好守の活躍。聖徳学園が投手戦を制して3回戦へ

日大鶴ヶ丘vs明星 | 高校野球ドットコム
先発の松崎公亮(聖徳学園)

 前回の登板で素晴らしい投球を見せ、プロ注目投手に名乗りを上げた聖徳学園エース・松崎公亮。この日も、雨中の悪いコンディションの中で素晴らしい投球を見せたが、それに負けない投球を明大明治の先発・須川大地も見せた。

 序盤に点を取られた両投手だが、投球内容自体は悪いものではない。松崎は力のある直球をコーナーに投げ分け、要所ではギアを入れた圧のあるボールを投げ込んでいく。味方のミスが絡んで失点した3回以降は無失点投球を見せる。

 一方の須川も、スピンの利いた直球が内外角に決まり、立ち上がりに失点して以降は相手に付け入る隙を与えない。変化球も緩い変化球と速い変化球を織り交ぜて、スコアボードに「0」を並べていった。

 試合は2対1で明大明治が1点をリードしたまま8回に入ったが、試合を動かしたのは聖徳学園だった。

 ランナーを一人置いた場面で、3番・山縣悠孝のタイムリースリーベースで同点に追いつくと、その後一死三塁の場面で5番・柊雄介が一塁への強襲安打を放って勝ち越しに成功する。

 これで王手をかけた聖徳学園は、松崎が最後まで熱のこもった投球を続け、試合はそのまま3対2で聖徳学園が勝利。終盤の逆転劇で、3回戦進出を決めた。

 実は聖徳学園は、正捕手の海老塚がマスクを被ることができずに、急遽3番・センターの山縣がマスクを被ることになった。不慣れな捕手をこなす中で、2打点を挙げた山縣を中里英亮監督は手放しで賞賛した。

 「松崎のボールを捕るのも大変なので、その中で本当によく打ってくれました。野球センスのある子なですが、今日ここまで打つとは思いませんでした」

 次の試合では、いよいよ昨年の秋季大会4強の創価と対戦する。中里監督は「あれだけの戦力ですから、当たって砕けろです」と話し、正面からぶつかっていくことを口にした。

 エース・松崎を中心にどんな戦いを見せるのか注目だ。

(文=栗崎祐太朗

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.07.07

上田西が0封に抑えられて初戦敗退 23年はオリドラ1を擁して甲子園出場

2024.07.06

23年三重王者・いなべ総合が初戦で敗れる!9回に逆転満塁弾を許す

2024.07.07

滋賀大会では日野がサヨナラ勝ち、伊吹はコールド勝ち【2024夏の甲子園】

2024.07.06

MAX153キロ、高校通算39本塁打、偏差値70! 東京の超進学校に現れた“規格外の男”森井翔太郎の「気になる進路」

2024.07.07

大阪桐蔭・德丸らとU-12代表経験のエリート主将率いる立命館守山が5回コールド発進!【24年夏・滋賀大会】

2024.07.05

白山高元監督の“下剋上球児”再現はあるのか!? センバツ1勝の宇治山田商、2年生集団で東海大会準優勝の菰野など各ブロックの見所を紹介【2024夏・三重大会展望】

2024.07.05

春連覇した加藤学園は悲観達成を狙う! 静岡、日大三島、藤枝明誠、プロ注右腕・小船を擁する知徳らが行く手を阻む!?【2024夏・静岡大会展望】

2024.07.05

静岡大会ではノーシード勢が初戦、常葉大菊川、聖隷クリストファーが開幕6日に登場【2024夏の甲子園】

2024.07.05

大阪大会は京セラドーム大阪で6日に開幕、大阪桐蔭は14日、履正社は14日に初戦【2024夏の甲子園】

2024.07.05

三重大会が6日開幕、昨夏代表のいなべ総合が初日に登場【2024夏の甲子園】

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.23

大阪桐蔭が名門・日体大に1勝1分け! スター選手たちが快投・豪快弾・猛打賞! スーパー1年生もスタメン出場 【交流試合】

2024.06.28

最下位、優勝、チーム崩壊……波乱万丈のプロ野球人生を送った阪神V戦士「野球指導者となって伝えたいこと」

2024.06.23

プロ注目の大阪桐蔭・徳丸が大学生相手に決勝アーチ!直近3週間5本塁打と量産態勢!2年ぶり夏甲子園へ強打者の勢い止まらず!